神奈川県議会 > 2022-12-07 >
12月07日-16号

  • "定例会会議録"(/)
ツイート シェア
  1. 神奈川県議会 2022-12-07
    12月07日-16号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    令和 4年 第三回 定例会 △《本会議録-令和4年第3回-20221207-029347-諸事項-出席議員等議事日程-》 令和4年第3回神奈川県議会定例会会議録第16号〇令和4年12月7日 午後1時開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共96名       出 席 議 員                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       石   田   和   子                       田   村   ゆうすけ                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   けいすけ                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       石   川   裕   憲                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       京   島   け い こ                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       内   田   み ほ こ                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       青   山   圭   一                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       さ と う   知   一                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       長   田   進   治                       国   松       誠                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       く さ か   景   子                       作   山   ゆうすけ                       菅   原   直   敏                       北   井   宏   昭                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       浦   道   健   一                       加   藤   元   弥                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       松   本       清                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       曽 我 部   久 美 子       欠 席 議 員                       加   藤   ご   う                       上   野   た つ や                       武   田       翔                       新   堀   史   明                       柳   下       剛                       小   川   久 仁 子       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         政策局長          平   田   良   徳         総務局長          筒   浦   浩   久         くらし安全防災局長     佐   川   範   久         国際文化観光局長兼         拉致問題担当局長      香   川   智 佳 子         スポーツ局長        三   枝   茂   樹         環境農政局長        鈴   木   真 由 美         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長兼未病担当局長 山   田   健   司         産業労働局長        河   鍋       章         県土整備局長        大   島   伸   生         教育委員会教育長      花   田   忠   雄         同  教育局長       田   代   文   彦         警察本部長         林           学         同  総務部長       重   江   光   一   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          浦   邊       哲         議会局副局長兼総務課長   高   瀨   正   明         同  議事課長       井   上       実         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和4年第3回神奈川県議会定例会議事日程第16号                            令和4年12月7日午後1時開議第1 定県第 134号議案 令和4年度神奈川一般会計補正予算(第6号)   定県第 135号議案 知事及び副知事の給与等に関する条例等の一部を改正する条例   定県第 136号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例   定県第 137号議案 職員の給与及び通勤に要する費用の弁償に関する条例の一部を改正する条例   定県第 138号議案 学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 139号議案 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 140号議案 任期付研究員の採用等に関する条例及び任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 141号議案 県議会議員議員報酬費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例第2 定県第 91 号議案 令和4年度神奈川一般会計補正予算(第5号)   定県第 92 号議案 同  年度神奈川水源環境保全再生事業会計補正予算(第1号)   定県第 93 号議案 同  年度神奈川流域下水道事業会計補正予算(第1号)   定県第 94 号議案 同  年度神奈川水道事業会計補正予算(第2号)   定県第 95 号議案 同  年度神奈川電気事業会計補正予算(第1号)   定県第 96 号議案 同  年度神奈川公営企業資金等運用事業会計補正予算(第1号)   定県第 97 号議案 同  年度神奈川県相模川総合開発共同事業会計補正予算(第1号)   定県第 98 号議案 同  年度神奈川酒匂川総合開発事業会計補正予算(第1号)   定県第 99 号議案 個人情報の保護に関する法律施行条例   定県第 100号議案 神奈川県個人情報保護審査会条例   定県第 101号議案 神奈川県個人情報保護条例を廃止する条例   定県第 102号議案 再任用に関する条例を廃止する条例   定県第 103号議案 神奈川県情報公開条例の一部を改正する条例   定県第 104号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 105号議案 神奈川県不服申立関係書類写し等交付手数料条例の一部を改正する条例   定県第 106号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 107号議案 住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例   定県第 108号議案 神奈川県統計調査条例の一部を改正する条例   定県第 109号議案 職員の分限に関する条例及び市町村立学校県費負担教職員の分限に関する条例の一部を改正する条例   定県第 110号議案 職員の懲戒の手続及び効果に関する条例及び市町村立学校県費負担教職員の懲戒の手続及び効果に関する条例の一部を改正する条例   定県第 111号議案 附属機関の設置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 112号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例   定県第 113号議案 職員の給与及び通勤に要する費用の弁償に関する条例及び学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 114号議案 職員の勤務時間、休暇等に関する条例及び学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 115号議案 職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 116号議案 外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例及び外国の地方公共団体の機関等に派遣される市町村立学校県費負担教職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 117号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 118号議案 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 119号議案 職員の大学院等派遣研修費用の償還に関する条例の一部を改正する条例   定県第 120号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例   定県第 121号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 122号議案 神奈川県地域医療医師修学資金貸付条例の一部を改正する条例   定県第 123号議案 神奈川県企業職員の給与の種類及び基準に関する条例等の一部を改正する条例   定県第 124号議案 警察組織に関する条例の一部を改正する条例   定県第 125号議案 神奈川県科学技術政策大綱の変更について   定県第 126号議案 工事請負契約の締結について(都市計画道路城山多古線(仮称)新坂下トンネル新設工事請負契約)   定県第 128号議案 管理事業に対する市町負担金について   定県第 129号議案 神奈川県道路公社の有料道路整備事業計画変更に対する同意について   定県第 130号議案 訴訟の提起について   定県第 131号議案 和解について   定県第 132号議案 和解について   定県第 133号議案 当せん金付証票の発売について第3 議員提出第5号議案 神奈川県議会の保有する個人情報の保護に関する条例第4 請願第45号-1 教育格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願   請願第45号-2 同    件   請願第46号 消費税インボイス制度の実施延期に係る意見書の提出を求める請願   請願第47号-1 ゆきとどいた神奈川の障害児教育を求める請願   請願第47号-2 同    件   請願第48号 教育費の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願第5 議員提出第6号議案 県議会議員議員報酬費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和4年第3回-20221207-029348-諸事項-提案説明等-》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共96名 ○議長(しきだ博昭) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 本職あて文書が提出されておりますので、書記に朗読させます。  〔書記朗読〕   ───────────────────────────────────────                 条例案提出書県議会議員議員報酬費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例案 上記条例案神奈川県議会会議規則第12条の規定により、別紙のとおり提出します。  令和4年11月30日 神奈川県議会議長 しきだ 博 昭 殿               提出者  神奈川県議会議員 杉  本     透                    同        山  口  美 津 夫                    同        た め や  義  隆                    同        飯  野  まさたけ                    同        大  山  奈 々 子                    同        石  川     巧                    同        米  村  和  彦                    同        細  谷  政  幸                    同        渡  辺  ひ と し                    同        菅  原  直  敏   ───────────────────────────────────────                                 政総第1559号                               令和4年12月7日 神奈川県議会議長 しきだ 博 昭 殿                         神奈川県知事 黒 岩 祐 治議案の提出について 開会中の令和4年第3回神奈川県議会定例会に提案する予算議案ほかを別冊のとおり提出します。   ───────────────────────────────────────                                  人委第134号                               令和4年12月7日 神奈川県議会議長 しきだ 博 昭 殿                   神奈川県人事委員会委員長 小 池   治            条例案に対する意見について(回答) 令和4年11月25日付け神議第1794号により意見を求められました次の条例案については、異議ありません。                            〔本会議録別冊259頁参照〕   ─────────────────────────────────────── (請願:議事日程参照)   ───────────────────────────────────────外5件 請願文書表のとおり                            〔本会議録別冊219頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) この際、申し上げます。  相原高広議員北井宏昭議員佐々木ゆみこ議員及びさとう知一議員から質問趣意書が提出されておりますので、執行機関に送付しますから、御了承を願います。                  〔本会議録別冊236頁、247頁、253頁、257頁参照〕  受理いたしました陳情書は、陳情文書表のとおり、所管委員会に付議いたしましたので、御了承を願います。  県内に住所を有しない陳情者から提出された陳情書は、その写しを配付してありますから、御了承を願います。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) これより日程に従い、審議を行います。  日程第1、定県第134号議案 令和4年度神奈川一般会計補正予算外7件を議題といたします。  議案の朗読は省略いたします。                            〔本会議録別冊171頁参照〕  知事の説明を求めます。  黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) ただいま提案しました令和4年度補正予算案並びにその他の諸議案について、御説明申し上げます。  初めに、職員の給与等勤務条件に関連する案件についてですが、11月25日の提案説明でも申し上げましたとおり、諸準備が整いましたので、それぞれ提案するものです。  まず、職員の給与及び通勤に要する費用の弁償に関する条例の一部を改正する条例など3件は、人事委員会の勧告等を勘案し、給料表の改定を行うなど、所要の改正を行うものです。  次に、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例は、雇用保険法の一部改正に伴い、失業者の退職手当の取扱いを見直すなど、所要の改正を行うものです。  また、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例は、総括校長の職の設置に伴い、所要の改正を行うものです。  県議会議員議員報酬費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例並びに知事及び副知事の給与等に関する条例等の一部を改正する条例は、県議会議員及び知事等の期末手当の支給割合について、所要の改正を行うものです。  これらの条例の改正に伴う所要の経費については、補正予算措置を講ずることとします。  また、このほかの補正予算案の概要ですが、国の物価高克服経済再生実現のための総合経済対策を踏まえ、早急に対応する必要がある事業について措置するものです。  まず、国が新たに創設する出産・子育て応援交付金への対応として、全ての妊婦、子育て家庭が安心して出産・子育てができる環境を整備するため、妊娠期から出産・子育てまでの一貫した伴走型相談支援の充実と、妊娠届出や出生届出を行った妊婦等への経済的支援を一体として実施する市町村に対して補助します。  次に、子供の安心・安全対策の推進として、幼稚園等に通う子供の安全を守るため、送迎用バスの安全装置の装備など、施設設置者が講じる安全対策の強化に要する費用に対して補助等を行います。  また、観光需要喚起策として、新型コロナウイルス感染症により落ち込んだ観光需要を喚起するため、年明け以降、県内の旅行に対する割引を実施します。なお、開始時期については、今後の感染状況の動向を踏まえつつ、国が発表した後、決定します。  以上が補正予算案の概要ですが、補正予算額は、一般会計224億7,600余万円で、財源につきましては、国庫支出金や地方交付税などを充当しています。  以上をもちまして、私の説明を終わります。  よろしく御審議の上、御議決くださいますようお願い申し上げます。   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和4年第3回-20221207-029349-質問・答弁-川崎修平議員-一般質問①県広報のユニバーサルデザイン化について②RPAの導入効果について③DX推進に当たってのセキュリティ対策について④大規模災害時における通信障害への対策について⑤大規模災害からの広域避難について⑥公立小・中学校における児童・生徒の「国語力」の向上について⑦かながわ学校給食夢コンテストについて》 ○議長(しきだ博昭) 次に、ただいま説明のありました日程第1に日程第2を併せ、一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  川崎修平君。  〔川崎修平議員登壇〕(拍手) ◆川崎修平議員 横浜市鶴見区選出の川崎修平です。  私は、自由民主党県議団の一員として、通告に従い、順次提言を交えながら質問をさせていただきます。  知事並びに教育長におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いをいたします。  それでは、早速質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、県広報のユニバーサルデザイン化について伺います。  県では、施策や事業、取組などを県ホームページをはじめとする様々な広報媒体を活用しながら情報発信しており、県民の皆様が手に取って県の情報を知っていただくチラシやパンフレットなど、文字情報による広報物も数多く作成されています。  しかし、県民の中には、視覚障害がある方や失読症状の方など、文字を読み取ることが困難な方も多くいらっしゃるため、県の広報においても、全ての人が利用しやすいようにデザインするユニバーサルデザイン化を進めていくことが重要です。  〔資料提示〕  こうした中、専用アプリをダウンロードしたスマートフォンをかざすだけで、自動で文字情報を読み上げてくれる二次元音声コードを広報物につける自治体が増えてまいりました。  例えば、東京では、行政からの案内を郵送するための封筒や東京五輪のガイドブックなどに、岐阜県や和歌山県では、障害者福祉の手引や障害児者福祉のしおりといった、障害福祉に関する情報等を案内する印刷物、福岡市に至っては、公共料金の案内や特別定額給付金、新型コロナウイルスワクチン接種のお知らせなどにも、文字情報を読み上げる二次元音声コードを掲載しています。  また、民間企業でも、訪日外国人向けの観光パンフレットやレストランのメニュー、イベントの案内、レトルト食品のパッケージに記載された調理方法など、様々な文字媒体に二次元音声コードを記載するようになってきており、この取組の認知度も日に日に高まってきております。  もちろん、本県でも二次元音声コードの導入は行っていると承知しておりますが、まだごく一部の広報物にすぎず、情報が全ての人にひとしく届いているとは言えない状況です。  本県ではこれまで、ともに生きる社会かながわ憲章を策定し、ともに生きる社会の実現に向けて取組を進めてきました。  また、この10月には、当事者目線の障害福祉を推進し、誰もが安心して生き生きと暮らすことのできる地域共生社会の実現を目指す「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」が公布され、来年の4月から施行されることになっております。  こうした機に、より多くの県の広報物においても、国籍や年齢、能力などの違いにかかわらず、全ての人が同じ情報を受け取れるようにユニバーサルデザイン化を進めていくことは、非常に重要なことであると考えます。  そこで、知事に伺います。  県広報のユニバーサルデザイン化を実現するために、チラシやパンフレットなどの広報物に、二次元音声コードを積極的に活用していくべきと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、RPAの導入効果について伺います。  近年、デジタル技術が進展する中、これまで大量・高速な業務処理の実現や、正確性の向上を担ってきた情報システムの活用に加え、AIやロボティック・プロセス・オートメーション、いわゆるRPA等の活用が注目され、令和2年12月に総務省が策定した自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画の重点取組事項の一つとして位置づけられました。  〔資料提示〕  とりわけ、パソコンでの定型的な業務をコンピューターに代行させるRPAは、開発コストなどの様々な観点から、システム化が見送られてきた手作業で行われている業務プロセスを、比較的低コストかつ短期間で導入できるという特徴があり、昨年末の時点で導入済みの都道府県が約9割、実証中や導入予定等を含めると、市町村を含めた全自治体の6割以上が取り組んでいるとされております。  県でも、令和元年7月に策定した、かながわICT・データ利活用推進計画においてRPAの活用が位置づけられ、本格導入した令和元年度末から、デジタル戦略本部室が旗振り役となって進めてきたことで、職員の作業時間を大幅に短縮できたと承知いたしております。  一方、RPAを導入する際には、対象業務を分析し、可視化することが必要なため、一時期的に職員に業務負荷がかかることから、多忙の中にあって、なかなか取り組めないという声もあると聞いています。  それでも、一旦導入すれば、対象の業務をミスなく、24時間いつでも休みなく処理することができ、職員の作業時間を大幅に短縮できると同時に、余剰時間を県民へのサービスに充てられるという意味でも、非常に意義のある取組であり、さらなるRPAの利活用が期待されます。  今後、限られた県の予算、人材を有効活用していくためには、さらに職員を単純な事務作業から解放し、県民生活に直接関わる業務分野や政策・企画の立案など、真に人手が必要な業務に割り振っていくことが重要であります。  そして、さらに、RPAをはじめとするデジタル技術を積極的に活用していこうという意識を醸成しながら、RPAに向いている業務を積極的に掘り起こしていく必要があるのではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  県がRPAを本格導入してから丸2年が経過したところですが、RPA導入の効果と、今後の対象業務拡大への取組について見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、DX推進に当たってのセキュリティ対策について伺います。  令和2年12月、政府において、デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針が決定され、目指すべきデジタル社会のビジョンとして「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化~」が示されました。  このビジョンの実現のためには、国が主導的に役割を果たしつつ、自治体全体として足並みをそろえてデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいく必要があり、県においても、行政手続のオンライン化やRPAによる業務効率化、テレワークの推進などに力を入れていることは承知いたしております。  一方で、懸念されるのは、悪意ある第三者からのサイバー攻撃のリスクです。特に新型コロナウイルス感染症の拡大以降、世界中の経済活動、生活様式が大きく変容し、未曽有の混乱につけ込んだサイバー攻撃が世界各地で急増しており、ここ日本でも、それは例外ではありません。  例えば、今年の10月、大阪急性期・総合医療センターが身の代金要求型コンピューターウイルス、ランサムウエアによるサイバー攻撃を受け、電子カルテが閲覧できなくなるなどのシステム障害により、ほとんどの診療を停止せざるを得ない事態に陥りましたし、ほかにも、大学や図書館、大手自動車会社の部品メーカーや有名ホテルチェーンなど、多くの企業・団体から次々とサイバー攻撃の被害が報告されています。  このようなサイバー攻撃においては、いつ、どこで、誰が狙われるか分からないため、県でも、ふだんから十分なセキュリティー対策を実施しておく必要があることは明確ですが、あまりにも過度のセキュリティー対策は、逆に、県民サービスをはじめ、業務にも支障が生じてしまうおそれがあります。  私は、令和元年9月の一般質問において、RPA本格導入に向けたセキュリティー対策について質問を行い、知事からは、RPAの本格導入に当たっては、セキュリティー対策を十分に施した上で、積極的に活用していくという前向きな答弁を頂いたところです。  県がDXを推進していくに当たっては、こうした新たなデジタル技術の活用による業務効率や、県民サービスの向上を前提としたセキュリティー対策を追求していく必要があります。  そこで、知事に伺います。  DXを推進していくに当たっての情報セキュリティー対策について、県は、どのような取組を行ってきたのか、また、今後は、どのように取り組むのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、大規模災害時における通信障害への対策について伺います。  今年7月、大手通信会社KDDIで大規模な通信障害が起こり、電話やインターネット接続ができなくなるといった事態が発生しました。これにより、最大で3,915万回線、3,091万人以上の利用者に影響が生じ、全国の警察が受けた110番通報に関しても、KDDIの基地局を通じた通報の合計は、前週の同じ曜日と比べて45.1%減ったとされています。  また、今回の事態では、警察や救急車の要請だけにとどまらず、病院が医師と連絡が取れなくなる、ATMが使えなくなる、物流や交通サービスが滞るなどの事態も全国で頻発しており、改めて、通信障害が私たちの生活全般に甚大な影響を及ぼすことを浮き彫りにしました。  〔資料提示〕  そして、最も懸念されるのが大規模災害時の通信障害です。  東日本大震災では、基地局の倒壊や長時間の停電、基地局までの伝送路の切断などにより、各携帯会社の通信サービスが一斉に止まり、被災者の救助に遅れが生じましたし、近年の台風による災害では、長期にわたり大規模停電が発生する中で、被災県が被害状況等の把握を十分に行えない事態もあったと承知しています。  そのような中、今回の通信障害を受け、総務省では9月28日に有識者会議を開催し、非常時や通信障害発生時に、携帯電話利用者が臨時的に他の事業者のネットワークを利用できる事業者間ローミングや、Wi-Fiを活用した方法などについて話し合われましたが、残念ながら、事業者間ローミングは技術的対応の複雑さから、実現に時間がかかるとされております。  また、各携帯会社も、臨時基地局の開発等により災害時の通信障害を回避しようとしておりますが、それでも今回のような数日間に及ぶ通信障害が起きているのが現状です。  しかしながら、本県においても、近い将来、豪雨や台風などによる大規模な風水害や南海トラフ地震、関東大震災発生時に同様のことが起こらないという保証はありません。  もちろん、県としても、大規模災害時には、災害用伝言サービスの提供や特設公衆電話の設置、避難所への無料インターネット接続サービスの整備等を行って、情報網の確保に努めることは承知しておりますが、被災直後に救助を求めたい、救急車を呼びたい、あるいは県の職員が関係機関と連絡を取りたいといったときに、通信障害が起きてしまっては、助けられる命も助けられなくなってしまいます。  であるからこそ、県としても、通信障害に備えながら、防災関係機関との確実な連絡体制を確保するとともに、電話が使用できないときに県民が取るべき行動をあらかじめ広く周知させておく必要があるのではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  大規模災害時の通信障害を想定し、県では、どのような対策を行っていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、大規模災害からの広域避難について伺います。  近年、気候変動の影響によって、台風の大型化や集中豪雨の発生が増加し、土砂災害や河川の氾濫などが毎年のように発生しております。  本県においても、令和元年に発生した台風第19号で川崎市の河川が氾濫したり、武蔵小杉駅周辺でも内水氾濫が発生するなどして、多くの住民が被災する事態となりました。  また、城山ダムで運用開始以来初となる緊急放流が行われ、流域の自治体が対応に追われたことは記憶に新しいところです。  〔資料提示〕  そして、そのような大規模災害時に重要な課題となるのが、被災者の安全を守るための避難所の確保です。とりわけ、広範囲に甚大な被害が出るような災害が起きた場合は、市町村が指定した避難所だけでは、住民の避難を完結することが困難であると想定され、ほかの自治体に避難する広域避難が重要になります。  そして、自然が豊かで、多くの人口を抱える本県にとっても、この大規模な自然災害からの広域避難対策は切実な問題で、例えば、本県に身近な富士山や箱根山は活火山であり、噴火によって、噴石や溶岩流の影響がある地域では、影響がない地域への広域避難が避けられません。  特に富士山については、昨年3月にハザードマップが改定され、溶岩流の影響が指摘されたところであり、広域避難計画の策定が急がれます。  また、本県には、大小100を超える河川があり、東京湾、相模湾に面した立地特性であることを考えても、河川の氾濫による洪水や津波、高潮などからの避難も想定しておく必要があります。  しかしながら、こうした自然災害からの広域避難については、移動手段の問題も含め、課題が多く、全国的にもあまり検討が進んでいないと承知しております。  しかし、毎年のように、全国各地で大規模災害が発生している現状を踏まえると、広域避難の検討は待ったなしの問題だと思えてなりません。  避難対策は、基本的に市町村の役割ですが、市町村域を超えた広域避難は、自治体間の調整などには限界があり、広域自治体である県の役割が大きいと考えます。  そこで、知事に伺います。  いつ起きてもおかしくない大規模な自然災害に備え、県がリーダーシップを発揮し、災害発生時に市町村域を超えた広域避難が円滑にできるよう検討を進めるべきと考えますが、どのように取り組むのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、公立小・中学校における児童・生徒の「国語力」の向上について伺います。  我が国では、社会の急激な変化に対応するため、学校教育の場でプログラミングや金融などの新しい教育が次々と導入されています。  〔資料提示〕  しかし、一方で、経済協力開発機構が平成30年に、79の国や地域に暮らす約60万人の15歳児を対象とした国際学力テスト、国際学習到達度調査─PISA調査によると、日本の生徒の読解力が平均より高得点ではあるものの、調査が行われるたびに低下し続けているという結果が示されております。  この調査結果では、ふだんから読書をしている子供のほうが読解力の得点が高い傾向にあると示されていることから、読書量の減少が全体的な国語力の低下に影響しているのではないかと危惧するところです。  また、本を読む機会が少なくなっていることが読解力の低下を招き、ひいては、物事に対して筋道を立てて考えるという論理的思考力にも影響を与えるのではないかと憂慮しているところであります。  現代の子供たちは、物心ついたときからインターネットやスマートフォンが当たり前のように存在している世代であり、日頃のコミュニケーションもSNSを使った短文でのやり取りが主流となっております。  例えば、やばいという言葉一つ取っても、現代では、かっこいい、かっこ悪い、愛らしい、おいしい、まずい、うれしい、苦しいなど、25を超える意味で使われていると言われており、これは一例にすぎませんが、我々の世代とは、言葉の使われ方やコミュニケーションの取り方が、異なってきている状況がうかがえます。  もちろん、言葉は時代とともに変化したり、新たに生まれたりすることがあると思いますが、語彙力が低下し、言葉の意味を正しく理解できなくなると、自分の抱いている感情や思いを言語化することが困難となり、他者との建設的な意思疎通ができなくなってしまうのではないでしょうか。  私は以前から、こうしたコミュニケーション能力の大切さについて注目しており、平成29年の第3回定例会で質問したところであります。  〔資料提示〕  他者との関わりの中で豊かな人間関係を築いていくためには、読書活動等を通じて高まる論理的思考力や語彙力、読解力、また、話合い活動等を通じて自分の考えや感情を正確に言葉で伝え合うコミュニケーション能力といった、いわゆる国語力を向上させることが重要と考えております。  そこで、教育長に伺います。  公立小中学校における児童・生徒の国語力の向上に向けて、県教育委員会として、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、かながわ学校給食夢コンテストについて伺います。  食は、私たちが健康に生きていくために欠くことができないものですが、日々の忙しさ、食べ物の好き嫌いなどを理由に、栄養価やバランスを軽視しがちです。  〔資料提示〕  令和4年3月に農林水産省が発表した、成人を対象とする食育に関する意識調査によれば、日頃から健全な食生活を実践することを心がけているかの問いに、24%が心がけていないと回答しています。  その理由は様々だと思いますが、生涯にわたり健全な食生活を実践していく上では、子供の頃から食に関する正しい知識や望ましい食習慣を身につけることが大変重要であり、その実現のために、学校における食育が果たす役割は大きいと言えます。  学校における食育は、様々な場面で行われていると承知していますが、子供たちにとって一番分かりやすいのは、学校給食ではないかと私は思います。  おいしく、楽しく、残さず食べるということは基本でありますが、例えば、給食で使われている野菜について、どんな栄養があるのか、どこで生産されたものなのか、生産する上でどんな苦労があるのかなど、食に対して様々な視点から興味を持つ機会となり、多様な学習につなげることができるのではないでしょうか。  平成30年第1回定例会においても、我が会派から、食育の推進に向けた機運を全県的に高め、学校給食に関わる職員の士気と資質の向上に向けて、学校給食の献立を競う大会の実施を提案したところ、早速、翌年度に第1回目となる、かながわ学校給食夢コンテストを開催いただきました。  〔資料提示〕  このコンテストでは、子供たちが考えたメニューが学校の給食の献立に取り入れられるよう働きかけるとともに、共催企業により実際に商品化され、スーパーの店頭で販売されるといった取組も行っていると承知しています。  こうした取組は、子供たちにとっては大いに励みになるとともに、一生の思い出になるのではないかと思います。  さらに、コンテストでは、県産食材を活用した献立を考えることで、神奈川産の食材の認知度を高めることにも一役買っており、今後も一層の充実を期待するところです。  このように、かながわ学校給食夢コンテストは、子供たちが自ら食について学ぶ機会を提供することができる取組であり、学校における食育の推進に大きく寄与していると考えます。  そこで、教育長に伺います。  学校における食育の推進に向けて、かながわ学校給食夢コンテストについて、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上で、第1回目の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 川崎議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、県広報のユニバーサルデザイン化についてお尋ねがありました。  県では、広報のユニバーサルデザイン化の取組として、視覚障害者向けに、広報紙「県のたより」の点字版、録音版を作成して希望者に配付するとともに、県ホームページでは、掲載情報を音声で読み上げるサービスを提供しています。  また、聴覚障害者向けには、定例記者会見や県の広報テレビ番組「カナフルTV」を手話通訳つきで配信、放送しています。  御質問のありました二次元音声コードは、チラシやパンフレットなどの紙媒体に掲載された印刷情報をデジタルの音声情報に変換するための二次元のバーコードで、スマートフォンの専用アプリ等で読み取ることにより、あらかじめ記録した文字情報を音声で聞くことができるものです。  本県では、援助や配慮が必要な方のためのマークであるヘルプマークのチラシや、障害者の消費生活見守りガイドブックなど、紙媒体による広報の一部で二次元音声コードを活用しています。  また、このたび作成しました「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」の分かりやすい版では、視覚障害者にも条例の目的や理念についての理解を深めていただくため、全てのページに二次元音声コードを掲載しています。  誰もが安心して生き生きと暮らす社会を実現するためには、障害者も含めた県民、事業者、県、市町村など、オール神奈川で取組を展開していく必要があります。そのためのツールの一つとして、二次元音声コードの活用を進めていくことは大変重要と考えています。  そこで、今後は、障害福祉分野における情報に限らず、例えば、防災やイベント情報など、より幅広い分野において市町村への働きかけを含め、二次元音声コードの活用を検討し、広報のユニバーサルデザイン化をより一層推進してまいります。  次に、RPAの導入効果についてお尋ねがありました。  RPA─ロボティック・プロセス・オートメーションは、職員が手作業で行うデータ入力などの定型的なパソコン作業を、ソフトウエアロボットを活用して自動化するものです。  県は、かながわICT・データ利活用推進計画において、RPAを積極的に利活用して業務効率化を図ることとしており、令和元年度末から、全庁的に導入を進め、現在、48業務に導入しています。  具体的には、例えば、県の人口や世帯に関する統計資料の作成において、これまで職員が手作業で行っていた、市町村から受領したデータの集計作業を自動化しました。  また、新型コロナウイルス感染症の対応業務では、療養期間が終了した療養者について、健康観察が不要になったという情報をシステムに入力する作業を自動化しました。  そのほかにも、様々な業務に導入した結果、令和3年度は年間3万時間を超える業務時間の短縮を実現し、職員の大幅な負担軽減につながっています。  さらに、RPAの導入効果は、こうした負担軽減だけでなく、導入に際して行う業務フローの整理、分析を通して、業務そのものの見直しにもつながっており、職員のさらなる業務改善に向けた意識の高まりという効果も生まれています。  このように、RPAは大きな効果を生んでいることから、今後も積極的に活用していきたいと考えています。  そこで、こうした効果や好事例を幹部職員が出席する会議等を通じて共有するとともに、各所属の担当者向けにも説明会を開催し、導入を一層進めていきます。  今後とも、RPAをはじめとするICTを積極的に活用して、さらなる業務効率化を進めることで、職員が県民に寄り添った業務に注力できるよう取り組んでまいります。  次に、DX推進に当たってのセキュリティ対策についてお尋ねがありました。  県の様々な課題をデジタルによって解決し、DXを推進していくためには、セキュリティー対策をしっかりと行うことが不可欠です。  県は、マイナンバー制度の運用開始に伴い、平成28年度から庁内のセキュリティー対策を抜本的に強化しています。  具体的には、内部業務に使用するネットワークとインターネットを分割し、外部からの攻撃が庁内のネットワークに及ばないようにしました。このセキュリティー対策により、特に重大な脅威となるインターネットからのサイバー攻撃に対して、これまで情報漏えい等の被害は一件も発生させておらず、県の重要情報を安全かつ強固に守っています。  また、セキュリティー上の問題点を明確にし、その改善策について必要な助言を受けるため、毎年度、外部の専門機関による情報セキュリティー監査を実施しています。この監査では、県民が利用する県のホームページや庁内の情報システムに対する脆弱性の検査などを実施して、セキュリティーの確保と向上に努めています。  DXを強力に推進するためには、高いセキュリティーを維持しつつ、インターネット上で提供される様々なクラウドサービスを積極的に活用したり、外部とのデータ連携をさらに進めていく必要があります。  そこで、来年4月に導入予定の次期神奈川情報セキュリティクラウドにおいて、最新の技術や手法を取り入れることで、クラウドサービスの安全な利用や柔軟な外部とのデータ連携を実現する仕組みを導入します。  県は今後とも、大切な県民の情報資産をしっかりと守りながら、DXを推進していくために、常に適切なセキュリティー対策を実施してまいります。  次に、大規模災害時における通信障害への対策についてお尋ねがありました。  災害発生時に、人命救助や緊急支援物資の輸送などの応急対策を迅速に行う上で、国や市町村、防災関係機関と確実に連絡調整が行える体制の確保は重要です。  県は、180に及ぶ防災関係機関と災害時に確実に情報の受伝達ができるよう、専用の有線回線と衛星回線で二重化した防災行政通信網を運用しています。  現在進めている通信網の再整備では、有線回線に支障が出た場合でも使用できる携帯端末用の専用回線を増設するほか、サーバー類の主要機器をデータセンターと県庁に併設するなど、バックアップ機能を格段に向上させ、確実な情報の受伝達環境を確保します。  また、通信障害発生時の迅速な復旧も重要です。例年、実施しているビッグレスキューでは、臨時基地局の設置等の応急復旧訓練を重ねてきました。加えて、県は、通信事業者の応急復旧作業を支援するため、道路の障害物の除去や、緊急通行路を優先的に通行できる緊急通行車両証の交付等を迅速に行う体制の強化にも努めています。  また、災害による通信障害発生時でも、県民の皆様が家族の安否確認や緊急的な連絡、情報収集等が可能となる仕組みや手段等を周知することも大切です。県は、ホームページ等を通じて、災害時に優先通話が可能な公衆電話の所在地や災害用伝言ダイヤルの使用方法を周知しています。  また、災害時に、誰もがWi-Fiを通じてインターネットへのアクセスや通信ができるファイブゼロジャパンなどの仕組みが既に運用されており、熊本地震や西日本豪雨でも利用されています。  県は、こうした通信障害発生時でも利用可能な仕組みやその利用方法等について、通信事業者と連携して整理し、県民の皆さんに分かりやすく周知していきます。  県は、こうした取組により、災害で通信が途絶えた場合でも、通話や情報の収集ができるよう、しっかりと取り組んでまいります。  最後に、大規模災害からの広域避難についてお尋ねがありました。  災害が発生し、市町村単独では避難者の受入れができない場合に、市町村域を超えた広域避難を円滑に行うことは重要であり、その調整を担い、市町村の避難対策を支援することは、県の大切な役割です。  平成27年に箱根山の火山活動が活発化した際に、県は町と共同で火山避難計画を策定し、噴火の規模が大きい場合は町外への避難を行うこととしました。  また、昨年3月に富士山のハザードマップが改定され、県北西部の3市4町に溶岩流が到達する想定が示されたため、現在、市町などとワーキングを設置し、溶岩流からの避難対策の検討を進めています。  県は、この検討を基に、関係機関との連絡調整体制や避難を進める手順など、広域避難に関する基本的な事項や考え方を今年度中に指針として策定し、市町の広域避難計画の策定を強力に支援していきます。  また、気象情報の精度が高まり、台風や豪雨の発生や規模は、一定程度、予測ができるため、洪水や高潮等の風水害については、早期に広域避難の必要性を判断することが逃げ遅れを防ぐ鍵となります。  昨年の災害対策基本法の改正により、これまで災害発生後に可能だった広域避難のための自治体間の協議が、発生前の段階から可能となりました。これを受け、県は、例えば、大型の台風の襲来が予測される場合に、台風接近前の段階から災害対策本部を設置し、市町村や輸送事業者などと広域避難に関する調整に着手できるよう体制を強化しました。  さらに、風水害時の広域避難の実施には、鉄道の計画運休も想定される中での避難先や避難ルート、移動手段の確保などの課題があるため、国や県、市町村等で構成する広域避難研究会で検討を深めていきます。  県は、こうした広域避難に関する取組強化の内容を改定水防災戦略に位置づけ、県主導の下、風水害からの広域避難対策に全力で取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の御質問にお答えします。  公立小・中学校における児童・生徒の「国語力」の向上についてお尋ねがありました。  言葉を正しく理解し、考えたことを相手に分かりやすく伝えるといった、いわゆる国語力を身につけることは、子供たちが今後、社会を生き抜いていく上で大変重要です。  国語力を養うためには、日頃から本をよく読むことや、自分の考えを言葉で表現する学習を充実させることが重要です。  こうした中、近年の全国学力・学習状況調査では、日常的に読書をしている子供の割合が低下しており、また、自分の考えを記述する設問の正答率が低いという課題が見られています。  そこで、県教育委員会では、県子ども読書活動推進計画の下、例えば、読んでほしい本の紹介や、学校図書館の特色ある取組の周知など、子供たちが読書に親しむ環境づくりに取り組んでいます。  また、昨年度、自分の考えを文章で表現する学習の充実を授業改善の重点事項の一つに掲げ、その取組の推進を市町村教育委員会に働きかけました。  その成果として、子供たちの伝えたい思いを手紙に書く活動や、ICTを活用して話の構成を考える活動などが見られたことから、今年度、これらの実践事例を取りまとめ、学校に広く啓発しています。  県教育委員会としては、市町村教育委員会と連携し、引き続き、こうした取組を進め、公立小中学校における児童・生徒の国語力の向上に努めてまいります。  次に、かながわ学校給食夢コンテストについてお尋ねがありました。  学校における食育は、子供たちの健全な心と体や豊かな人間性を育む上で大変重要です。とりわけ学校給食は、食を通じて地場産業等への理解を深めたり、食に携わる方々への感謝の心を育む、学びの場になっています。  県教育委員会では平成30年度から、食育の推進に向けた取組の一つとして、学校給食夢コンテストを実施しています。  このコンテストは、子供たちが食材選びや栄養バランス、調理方法などを工夫して、夢のある献立を自ら考えるものです。毎年表彰される献立の中からは、実際に学校給食で提供されたり、コンテストの協賛企業が商品化したものもあり、子供たちの学校給食の夢をかなえる取組になっています。  開始当初、約300件だった応募は、今年は1,500件を超え、かながわ学校給食夢コンテストは、子供たちが食について考える機会として定着してきました。  こうした取組は、近年、市町村にも広がっており、独自に学校給食の献立コンテストを始める動きが見られています。  県教育委員会としては、子供たちが自ら食について考える機会の一つとして、今後も、かながわ学校給食夢コンテストを継続し、子供たちの夢を学校における食育の推進にしっかりとつなげてまいります。  答弁は以上です。  〔川崎修平議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 川崎修平君。  〔川崎修平議員登壇〕 ◆川崎修平議員 それでは、ただいまの答弁を受けまして、1点、RPAの導入効果について再質問をさせていただきます。  RPAは少ないプログラムコードで開発できる、いわゆるローコードツールと言われているものの、プログラミングの知識がない職員がすぐに活用できるものではないという認識でありますが、RPA開発をすることができる人材の育成、これはどのように行っているのか、伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 再質問にお答えいたします。  RPAによる開発に当たっては、比較的単純な業務については、デジタル戦略本部室の職員が行っていますが、複雑な業務については、高度なプログラミングの知識や経験が必要となることから、事業者に委託をしております。  現在、デジタル戦略本部室の職員に、RPAの機能やプログラミングの知識を深めるための専門研修を受講させておりまして、今後、できるだけ多くの業務を職員で開発できるよう、人材を育成しております。  答弁は以上です。  〔川崎修平議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 川崎修平君。  〔川崎修平議員登壇〕
    ◆川崎修平議員 それでは、答弁を頂きましたRPAの導入効果でありますが、デジタル技術は、業務の効率化や県民サービスの向上に大きな力を発揮することは間違いありませんが、デジタル化自体が目的ではなく、あくまでも手段と認識することが重要であります。  RPAの活用による直接的な業務効率化だけでなく、RPAの活用をきっかけに業務自体の見える化が進み、業務全体の見直しになることは、働き方改革につながり、職員のモチベーションが上がるのと同時に、さらなる業務の見直しの好循環を生むと思います。  引き続き、RPAを積極的に利活用して、県民サービスの向上に努めてもらうよう要望させていただきます。  それでは、時間の許す限り、何点か要望をさせていただきます。  まず、県広報のユニバーサルデザイン化についてであります。  県の広報物でも、二次元音声コードを活用している事例はありますが、ごく一部に限られています。「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」が公布された今こそ、県広報のユニバーサルデザイン化を実現していくべきだと考えます。  ユニバーサルデザイン化の実現に当たっては、条例の趣旨も踏まえ、ぜひ利用者目線のユニバーサルデザイン化を進めていただくよう、要望させていただきます。  次に、大規模災害時における通信障害への対策についてであります。  今や、スマートフォンは、私たちが生活する上で必要不可欠なものとなっていますが、あまりにも日常の一部になってしまっているため、一たび通信障害が起きれば、一瞬で代替手段が思いつかない状況に追い込まれてしまいます。  とりわけ、大規模災害時に通信障害が起きてしまうと、消防や救急車の緊急要請が困難になることから、まずは、公衆電話の設置場所や利用方法、大手キャリアが自社のWi-Fiを無料で開放する公衆無線LAN、ファイブゼロジャパンの存在や、フリーWi-Fiを使った電話の仕方などを県民に向けて周知していくべきだと考えます。  災害時の通信障害は人命に関わってくる問題でありますので、防災・減災対策の中でも重要度が高いという認識を持って、今後も諸課題の解決に取り組んでいただきますよう要望させていただきます。  次に、かながわ学校給食夢コンテストについてであります。  子供たちにとって身近な存在である学校給食を用い、食に関する興味、関心を高めるかながわ学校給食夢コンテストは、神奈川県の食育を推進する上で大変重要な取組であると考えます。  また、この夢コンテストの応募作品が給食のメニューになったり、商品化されたりという経験は、子供たちにとって大変励みになります。  このようなすばらしい、かながわ学校給食夢コンテストを今後も引き続き実施し、神奈川県の食育を盛り上げていただくよう要望させていただきます。  以上で、私の質問を終わります。  御清聴どうもありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-令和4年第3回-20221207-029350-質問・答弁-市川よし子議員-一般質問①子どもの権利に関する条例について②指定管理者選定に係る運用の見直しについて③カーボンニュートラルに向けた県の取組について④子宮頸がん検診について⑤県立高校における不登校を含む長期欠席生徒への支援について⑥コロナ第8波に向けた県の取組について⑦神奈川県職員等不祥事防止対策協議会について》   〔市川よし子議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 市川よし子君。  〔市川よし子議員登壇〕(拍手) ◆市川よし子議員 立憲民主党・民権クラブ神奈川県議会議員団の市川よし子です。  議長のお許しを頂きましたので、私は通告に従い、順次質問をさせていただきます。  知事並びに御答弁者の皆様方におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。  それでは、質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、子どもの権利に関する条例についてです。  今年の6月15日に、こども基本法が可決、成立しました。こども基本法は、日本国憲法と児童の権利に関する条約、これは子どもの権利条約とも言われていますが、その精神にのっとり、次代の社会を担う全ての子供が自立した個人として、ひとしく健やかに成長することができ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指すとしており、子供の権利が高らかにうたわれております。  〔資料提示〕  全国に先駆けて、子どもの権利条例を制定した川崎市出身者として、私も感慨深いものがあります。  子どもの権利条約は、今から33年前の1989年に国連総会で採択され、日本は、その5年後の1994年にこの条約を批准しております。この条約の採択以降、世界では、子供の死亡率が低下し、危険な労働を強いられる子供が減少する一方で、我が国はどうかと言えば、2020年のユニセフの報告書によると、日本の子供の精神的幸福度は、先進国38か国中37位で、生活に満足していると答えた子供の割合の低さと、自殺率の高さが原因とされています。  この結果を厳粛に受け止め、子供が健やかに成長し、幸福な生活を送るために何が必要なのかということを、いま一度、我々大人が子供たちと一緒に考えていく必要があるのではないでしょうか。  県は、神奈川県子ども・子育て支援推進条例で、子ども・子育て支援の基本理念を定め、かながわ子どもみらいプランにより、子ども・子育て支援を推進しています。  県の条例もプランも、それぞれ子どもの権利条約を踏まえていることは承知していますが、県内では、川崎市が2000年に、相模原市が2015年に子どもの権利条例を制定し、直近では、今年3月に横須賀市が子どもの権利を守る条例を制定しました。  国が、こどもまんなか社会の実現に向け、こども家庭庁設置など大きく動き出した今、本県においても、県として、子供の権利の保障を条例等でしっかりとうたっていくことが、子供たちの幸福を支えるためには必要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  今般の国の大きな動きを受け、本県では子供の権利をどのように保障していこうと考えているのか、子供の権利に関する条例の制定も含めて、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、指定管理者選定に係る運用の見直しについてです。  県では、指定管理者制度を運用する際の具体的な基準及び手続を明確化した指定管理者制度の運用に関する指針を定めています。  指定管理者には、県と同様の高い法令遵守意識が求められることから、私は平成26年第3回定例会において、この指針にコンプライアンスの視点を盛り込むべきと質問し、団体の業務遂行能力の評価項目に、事故・不祥事への対応や、コンプライアンスへの取組という項目が設けられたことは大いに評価しているところです。  指定管理施設の所管課は、この指針に基づき、応募団体の資格審査や、過去3年間の重大な事故または不祥事の有無と再発防止策等を確認した上で、外部評価委員会が評価を行うという手順になっているものと承知しています。  さて、先般、葉山港の指定管理者の選定において、応募団体が過去3年以内に受けた行政処分について、重大な事故には該当しないという理由から、外部評価委員会において評価されることなく指定管理者候補とされ、議会の議決を受けた事案がありました。  私が、9月の建設・企業常任委員会において、このことを取り上げ、状況を確認したところ、所管課からは、申請の時点で、既に処分事由について原状回復し、必要な許可等の手続も行われ、適正な状況になっており、重大な事故または不祥事やコンプライアンスには該当しないため、外部評価委員会の評価には含まれていないとの答弁でありました。  指定管理者の選定に当たっては、地元の市町村や住民をはじめ、全ての利用者が安心して施設を利用できるようにすることが大切であり、そのためには、指定管理者には、公の施設を管理する者としてふさわしい業務遂行能力が求められていることは言うまでもありません。  今回の事案については、現在のルールに反するものとは言えなかったものの、過去に受けた行政処分が重大な事故等に当たるかどうかを判断するに当たり、応募団体や所管課の主観に左右されると捉えられかねない点があることについては、今後に向け、改善の余地があると私は考えます。  また、運用を見直すならば、改正内容を明確にするためにも、指針の中にはっきりと明記すべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  今後、過去に受けた行政処分については、県としてできる限り把握するように努め、外部評価委員会の評価の対象とすべきと考えますが、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、カーボンニュートラルに向けた県の取組についてです。  まず、カーボンニュートラル実現に資する企業の誘致についてです。  県ではこれまで、高い技術力を持つ中小企業から、グローバルな事業を展開する大企業まで、様々な企業を誘致し、県内経済への波及効果を実現してきたと承知しています。  企業誘致施策「セレクト神奈川NEXT」では、未病関連産業や先端医療関連産業、観光関連産業等を、今後、成長が期待される産業として位置づけ、県内への産業集積を図っておりますが、コロナ禍において様々な産業が打撃を受け、経済の停滞が危惧されたところは御承知のとおりであります。  想定外の新型コロナウイルス感染症の感染拡大とはいえ、改めて、企業誘致の業種選定の難しさについても、また認識をさせられたことも事実です。  その一方で、半導体関連など一部の産業では、投資が活況を呈しており、本県もこうした経済や時代の流れをつかみながら企業誘致を進めることが必要であり、今後、成長が期待される分野として、カーボンニュートラルの実現に向けた環境に関する世界的な流れは注目に値すると考えます。  〔資料提示〕  先月、11月18日、私の地元、川崎市で行われた川崎国際環境技術展を視察したところ、エネルギーや資源リサイクルなど様々な環境分野における市場の創出に向け、事業を展開する企業が出展していました。  特に、ペットボトルのケミカルリサイクルなど世界的にも先端を行く、メディアなどでも取り上げられた企業の出展もあり、この分野での将来性に大きな期待を感じることができた視察となりました。  先般、報道もありましたが、今後、再整備の検討が本格化する川崎臨海部での展開などにも、この分野の産業の進出が想定されています。  脱炭素社会を実現するためには、行政がロードマップを示しながら官民一体で取り組むことが重要であり、計画を立てるだけではなく、これに関連した企業の事業活動を活性化することで、その達成が近づくものと考えます。  これまで県は、EVの普及にいち早く取り組むとともに、太陽光発電の導入支援など、再生可能エネルギー等の導入加速化を図ってきました。また、省エネルギー対策の取組も着実に進めてきたと承知しています。  しかし、カーボンニュートラルの実現という極めて高い目標を達成するためには、この新たな成長分野に焦点を当て、脱炭素化に資する企業を積極的に県内に誘致していくことを検討すべきではないでしょうか。  さらに、これらの企業はSDGsともリンクするので、ESG投資などの資金調達面でも期待が持てるのではないかとも考えます。  そこで、知事に伺います。  今後の企業誘致施策について、世界的な潮流や企業の動向等を踏まえ、新たな成長産業として、脱炭素化の視点を含めた検討を行うべきと考えますが、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、県有施設におけるZEB・ZEHの推進及び公用車の取組について伺います。  国の目標である2050年カーボンニュートラル実現に向け、今後、その流れも加速していくことと考えます。  カーボンニュートラル実現のためには、様々な観点からの取組が必要ですが、この先の神奈川のためには、エネルギー消費量の収支をゼロにするZEB・ZEHの普及、そして、自動車の電動車化の二つが、最も重要な取組になるのではないかと私は考えます。  ZEB・ZEHについて、私は、令和元年第2回定例会一般質問におきまして、それまで実績のなかった県有施設へのZEB導入について質問し、知事より、今後、検討するという前向きな御答弁を頂きました。  〔資料提示〕  その後、本県としては、初のZEB施設となる神奈川県立産業技術短期大学校西キャンパスが建設され、今月内には完成予定であることは大いに評価するところであります。  県内のZEB・ZEHの導入実績の推移を見ると、平成29年度、ZEB、6件、ZEH、1,559件であったものが、令和2年度にはZEB、34件、ZEH、1万2,130件と着実に進んではいるものの、まだまだ十分とは言えず、政策誘導として、県有施設でのさらなる取組が重要になると考えます。  また、自動車の電動車化の取組についても、本県は、全国の自治体に先駆け、平成18年度から、電気自動車の普及に取り組んできたことは承知していますが、令和3年の軽自動車を除く新車乗用車販売の電動車割合は42.7%で、かつてトップを走ってきた本県が、今や全国40位であり、現在、県が掲げる2030年度新車乗用車全電動車化の目標を考えると、さらなる普及が求められるのは言うまでもありません。  この分野でも、まずは県として、公用車の積極的な電動車化への取組を進め、目標達成に向け、加速する努力が求められると考えます。  しかし、県の公用車における電動車の導入実績では、令和3年度末現在では、電動車は計35台と、全公用車に対する割合は約10%にとどまり、道半ばであることは否めません。  そこで、知事に伺います。  県として、カーボンニュートラルの実現に向け、県有施設の整備におけるZEB・ZEHの導入や公用車の電動車化について、より積極的に取り組むべきと考えますが、県有施設のZEB・ZEH化に、今後どのように取り組んでいくのか、また、公用車についても、電動車の導入をどのように図っていくのか、併せて知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、子宮頸がん検診についてです。  本県のがん罹患者数は男女とも増加を続けており、平成30年には年間で7万人の方ががんに罹患しています。  〔資料提示〕  女性のがん患者も増えてきていますが、中でも、子宮がんは増加しています。県内の子宮がんの罹患者数は、人口10万人に対して、平成13年が17.7人、平成28年度は46.4人と倍以上に増えています。また、子宮がんの中でも、子宮体がんの罹患者数は50代がピークですが、子宮頸がんは30代から40代と若い年齢がピークとなります。  子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス─HPVへの感染が大きな要因とされています。  国では、HPVワクチン接種後に健康被害を訴える方が相次いだことから、定期接種を一時中止していましたが、今年の4月から接種の積極的勧奨を再開したところであります。  HPVワクチンにつきましては、いまだ副作用に悩まれている方もおり、県は効果とリスクの両面から正確な情報を発信し、対象の皆さんが接種について検討できるようにしなくてはなりません。  一方で、ワクチンを積極勧奨していなかった世代については、HPVへの感染リスクも懸念されており、子宮頸がんを早期に発見できるよう、県として、子宮頸がんの検診受診率の向上に取り組んでいかねばなりません。  東京都調布市では、今年度、23歳と24歳の女性を対象に無料でHPVのセルフチェックができる検査キットを配布する事業を行いました。  〔資料提示〕  また、埼玉県志木市では、市が実施する子宮頸がん検診を受けていない方を対象に、HPVセルフチェックキットの無料配布事業とともにアンケートを行ったところ、受診しない理由として、スケジュールが合わない、時間がない、平日の遅い時間や土日に受けられないといった理由が上位に上げられました。仕事や子育てに追われ、検診に時間が割けられない女性の実態が見える結果と考えます。  この事業の目的は、子宮頸がん検診を受診しない方がセルフチェックをすることで、子宮頸がんについて意識を高め、その後に、市が実施するがん検診受診につなげることにあると考えられます。  志木市の取組は約2,000人を対象に行われ、その後、結果的に約80人が市の実施する子宮頸がん検診を受診したという成果があったとのことです。  県のがん対策推進計画では、がん検診受診率50%を目標として掲げていますが、令和元年度の県内の子宮頸がん検診受診率は47.4%と目標値に達していない中、こうした自主検査キットなどを活用し、がん検診につなげるきっかけづくりは有効ではないかと考えます。  そこで、知事に伺います。  今後、子宮頸がん検診の受診率向上に向けて、県として、どのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、県立高校における不登校を含む長期欠席生徒への支援についてです。  先月公表された令和3年度神奈川県児童・生徒の問題行動・不登校等調査の結果では、不登校児童・生徒数が増加傾向を示しています。その要因の一つとして、新型コロナウイルス感染症の流行があり、生活における様々な制約が、児童・生徒に少なからず影響を与えているのではないかと危惧しております。  特に、この調査結果において、私は、公立高等学校生徒の病気による長期欠席者が1,733人となり、前年と比べて何と323人も増加している点に注目しています。コロナ禍の様々な影響により、心に不調を来した生徒が増え、その結果、病気による長期欠席者全体が増加しているということも考えられるのではないでしょうか。  学校を長期に欠席することで学習の遅れが生じることは、その後の不登校傾向につながっていくおそれがあり、こうした事態を招かないためには、長期欠席の生徒への学習支援の取組が欠かせないものと考えます。  県立高校では、コロナ禍における臨時休業等を機に、各学校のオンライン学習の活用が進み、様々な理由により学校を長期欠席している生徒への学習支援に取り組んでいると承知しています。  今後は、こうした学習支援に、さらに積極的に取り組む必要があり、生徒が不安なく学校に復帰できるよう、各校において、こうしたオンラインによる学習を単位認定につなげることができないかと考えております。  〔資料提示〕  また、先日、神奈川県私立中学高等学校協会が運営している神奈川私学修学支援センターを視察してまいりました。私立中高協会では、不登校等で長期欠席となっている生徒に対し、私学会館内に設置している修学支援センターへの通所により、学校への復帰に向けた学習支援に取り組んでいます。  退職された校長や教頭経験者の指導の下で、時間割を基に、当該生徒の学校の教科書を使った個別指導で学習等に取り組むことにより、学校復帰に向けた支援をしています。  お話を伺ってまいりましたが、生徒の心に寄り添い、その存在を認めながら、まずはそこに通うことを目標に指導されているということで、示唆に富む大変すばらしい取組であると感じました。  また、学習支援という面だけでなく、学校に通うことができない生徒が、学校以外で通うことができる居場所として大きな役割を果たしていること、こうした学校以外での生徒の居場所の必要性も強く認識させられた視察となりました。  こうした取組は、生徒の学校復帰に当たっての、学習の遅れという不安な気持ちを取り除く上でも効果的であり、県立高校においても長期欠席となっている生徒に対して、学校生活に復帰できるよう、しっかりとした学習支援体制を整えるとともに、生徒の居場所をつくることが大切であると考えます。  そこで、教育長にお伺いいたします。  県立高校における不登校を含む長期欠席の生徒への学習支援などについて、県教育委員会として、どのように取り組んでいくのか、教育長の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、コロナ第8波に向けた県の取組についてです。  県が新型コロナウイルス感染症対策を開始してから、およそ3年の月日が経過していますが、報道等にもあるとおり、次の感染の波が到来し、感染者数が徐々に増え始めています。  県はこれまで、神奈川モデルをはじめとした対策を打ち出し、何とか第7波まで乗り越えてきたところでありますが、しかしながら、これまでの対策が全て十分に機能したかと言えば、必ずしもそうとは言えず、県民の皆様が、これで大丈夫なのかと不安に思うことが数多くありました。  例えば、この夏、抗原検査キットを手に入れようとしても、どこの薬局にも在庫がなく、検査キットを求めて駆け回ったが、入手できなかったという声を数多く伺いました。  〔資料提示〕  秋以降は発生届の届出対象者が限定され、多くの方がセルフテストを行うようになったことから、ますます検査キットの需要が高まります。県は、チラシを配布するなどし、キットの常備を呼びかけていますが、まちの県民に伺ってみても、呼びかけが浸透しているとは思えないのが実情です。  また、緊急時の連絡先となるコロナ119については、第7波の感染ピーク時には受電率が70%に低下し、医師につないだのは2%ということでありました。  先日の予算委員会での私の質疑の中で、年末に向けては、空振りを恐れず、あらかじめ強化していくとの答弁があったことから、当然、しっかりと対応されていることと思います。  さらに、10月末の感染症対策協議会におきまして、この冬は、発熱外来を受診する患者は、第7波のピーク時に加え、平日で1日約5,000人増える想定とのことであり、県では様々な対策とともに、オンライン診療の充実を掲げています。  9月補正予算でオンライン診療のための補助事業も措置し、さらに200件、オンライン診療を行う医療機関を増やすと目標を掲げたところですが、実施する医療機関が本当に増えるのか、気になるところであります。  第8波は既に到来しているとも言われており、波が来るごとに感染者数が増えていることを考えても、この冬の検査キットの数やコールセンターの相談体制、県が新しく始めたオンライン診療の体制は、本当に大丈夫なのかと大変心配ですし、不安を感じる県民も多いのではないでしょうか。  そこで、健康医療局長に伺います。  再び、新型コロナの感染拡大の状況にある中、県は、抗原検査キットがどれくらい必要になると見込んでいて、県民が確実に手に入れられると考えているのか、また、コールセンターの相談体制をどのように充実させていくのか、さらに、コロナのオンライン診療を行う医療機関について、今の補助金への申請状況を踏まえ、どのように増やしていくのか、健康医療局長の御見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、神奈川県職員等不祥事防止対策協議会についてです。  県は、全ての職員にとって働きやすさ、働きがいを実感できる職場環境を目指し、働き方改革や不祥事防止対策に、積極的に取り組んでいると承知しています。  しかし、今年度当初の時点で、知事部局内に約70名の休職者がいると聞いています。この中には、業務における過重労働や職場環境における人間関係の悩みなどから、心の問題を抱えた職員がいらっしゃるのではないかと考えられ、そうした問題への対応が十分に進んでいないのではないかと率直に感じています。  また、公務員として、不祥事となる不正行為が起きぬよう、職員の倫理の保持や職務の公正の遂行のための対策を図ることが求められていることは言うまでもありません。  県民のためにも、県民全体への奉仕者である職員が働きやすい環境づくり、不祥事のない職場づくりは、非常に重要な課題であると考えます。  県では、不祥事を防止し、職員が働きやすい職場をつくるための基本的な対策の立案、実施に関する重要事項について意見する機関として、神奈川県職員等不祥事防止対策協議会を設置していることは承知しており、同協議会の議事録をくまなく拝見いたしました。不祥事防止に役立つ提言や助言も得られていると、一定の理解はしているところであります。  しかしながら、目まぐるしく変化する社会環境を受け、様々な法律や制度の改正もあり、例えば、性差における課題の多様化、LGBTなど新たな人権問題など、かつてなかった課題への対応が必要とされている中で、現在の協議会も、今まで以上に、そうした期待に応えるための機能強化が必要になってくるのではないでしょうか。  協議会に今、求められているのは、時代とともに多様化した課題に対応するため、多角的な視点で意見や助言ができるような体制に変えていくことであり、そのためには、例えば、働く側の立場を代弁できる方に加わっていただくなど、協議会委員の人選が重要であると考えます。  そこで、総務局長に伺います。  今後、神奈川県職員等不祥事防止対策協議会の体制をどのように考えていくのか、総務局長の御所見を伺います。  以上をもちまして、私の第1回目の質問を終わります。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 市川議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、子どもの権利に関する条例についてお尋ねがありました。  次世代を担う全ての子供が個人として尊重され、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会を実現することは大変重要です。  県では、あらゆる施策に当事者目線を大切にしながら取り組んでおり、子供施策の推進に当たっても、子供目線で権利を保障していくことが必要です。  平成19年に制定した子ども・子育て支援推進条例は、児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約を踏まえ、子供の人権を尊重することや、子供が権利の主体であることを規定しています。  また、この考え方を基本に、かながわ子どもみらいプランを策定して、これまで様々な施策を展開してきました。  令和5年4月に施行されるこども基本法は、子どもの権利条約の理念をさらに推進させるために、子供が意見を表明する機会や多様な社会的活動に参画する機会の確保などを新たに盛り込んでおり、これをどのように保障していくかが課題です。  現在、国も、子供の意見表明などの手法を研究している段階であり、国の状況も注視しながら、県は、子供たちから直接、御意見を頂き、子供目線でしっかり議論、検討していきたいと考えています。  こうした取組を確実に実行していくために、議員から、子供の権利に関する条例の制定というお話がありましたが、現行の子ども・子育て支援推進条例への反映や、規則、計画、宣言など様々な方法を総合的に検討していきます。  県は、徹底した子供目線で子供の権利保障に取り組み、全ての子供が幸福で健やかに成長できる社会の実現に努めてまいります。  次に、指定管理者選定に係る運用の見直しについてお尋ねがありました。  県では、指定管理者候補の選定に当たり、指定管理者制度の運用に関する指針に基づいて、サービスの向上、管理経費の節減等、団体の業務遂行能力の大きく三つの項目を設け、有識者等で構成される外部評価委員会が評価する仕組みとしています。  このうち、団体の業務遂行能力の項目では、応募団体の信頼性を評価するため、過去3年間の重大な事故と併せて、事後対応や再発防止策を確認しています。  葉山港の指定管理者の選定に当たり、応募団体の過去の行政処分については、市の指導に従い違法状態が是正され、過怠金も納付済みであるため、重大な事故には当たらず、外部評価委員会の評価の対象とはしていませんでした。  しかし、議会からは、応募団体が過去に行政処分を受けているのであれば、外部評価委員会の評価の対象とすべきとの御指摘を頂きました。  指定管理者は、県に代わって公の施設を管理することになりますので、より透明性の高い選定プロセスとすることが住民からの信頼確保につながります。  そこで、今後の選定に当たっては、応募団体が過去3年間に、法令違反により行政処分を受けた事実があれば、全て外部評価委員会に報告する扱いとします。その上で、行政処分の内容とともに、その案件に係る事後の対応を評価の対象とし、指定管理者としての適格性を評価する方法に見直したいと考えています。  この新たな運用については、今後、議会に報告した上で、指定管理者制度の運用に関する指針を改正するとともに、応募団体が見落とすことがないよう、提出書類の様式も改正し、該当する行政処分を漏れなく把握できるようにしていきたいと考えています。  次に、カーボンニュートラルに向けた県の取組についてお尋ねがありました。  まず、カーボンニュートラル実現に資する企業の誘致についてです。  県では、県内経済の活性化と雇用の創出を図ることを目的として、企業誘致施策「セレクト神奈川NEXT」により、国内外から成長産業等の企業誘致に取り組んでいます。  国は昨年、脱炭素社会の実現に向けて、2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定し、水素や半導体など、今後の成長が期待される14の分野を掲げています。  これらの分野は、投資家から資金調達しやすく、事業所の新設など設備投資の活発化が見込まれるとともに、成長産業として経済の活性化と雇用の創出が期待できます。  これまでセレクト神奈川NEXTでは、エネルギー関連産業を成長産業として位置づけ、バイオマス発電所など、脱炭素化に資する企業を誘致してきました。  しかし、例えば、燃料アンモニアによる発電などは、国のグリーン成長戦略において成長産業に位置づけられていますが、セレクト神奈川NEXTではそうなっていないため、誘致対象となっていません。  そこで、これまでの取組の効果検証と併せて、国のグリーン成長戦略に位置づけられている成長産業を県の誘致対象とすることについて検討したいと考えています。  こうした企業誘致の戦略を通じ、経済の活性化や雇用の創出とともに、脱炭素社会の実現が図られるよう、しっかりと取り組んでまいります。  次に、県有施設におけるZEB・ZEHの推進及び公用車の取組についてです。  脱炭素社会の実現に向けては、国や自治体、企業、県民の皆様など、あらゆる主体がオールジャパン、オール神奈川で取組を広げていくことが重要です。そのためには、まず県自らが率先して脱炭素化に向けた取組を加速させ、市町村や企業等に姿勢を示す必要があると考えています。  そこで、まず、県有施設のZEB・ZEH化についてです。  県は、令和4年3月に改訂した神奈川県公共施設等総合管理計画に基づき、今後、建て替える県有施設については全て、省エネと創エネを組み合わせて脱炭素化することを基本としています。  具体的には、出先の庁舎や学校等では、今月完成予定の産業技術短期大学校西キャンパスでZEBを導入しており、さらに、今後、建て替えを計画している高相合同庁舎や計量検定所などでも、順次、導入していきます。  また、県営住宅においても、今年度、設計に着手した千丸台団地や鶴巻団地、寒川新橋団地などでZEHを導入していきます。  次に、公用車の取組についてです。  県では、業務に必要な仕様を備えた車種がない場合を除いて、全て電動車化することとして、今年度、導入する12台を含め、2030年度までに、県が保有する乗用車・小型貨物自動車約360台を電動車化します。  電動車化は、配備先での業務や地域の特性等を勘案し、まずは、走行時に温室効果ガスを排出しないEVや燃料電池自動車を優先し、これに次いで、排出が少ないハイブリッド車などを導入する形で進めます。  県としては、脱炭素社会の実現に向けて、県内の機運を醸成するためにも、これまで以上に率先して脱炭素化に取り組んでまいります。  最後に、子宮頸がん検診についてお尋ねがありました。  全国統計によれば、子宮頸がんの5年生存率は、早期がんで93%、進行がんでは30%となっており、がん検診による早期発見が非常に重要です。  これまでも本県では、子宮頸がんの検診受診率向上のため、ホームページで受診を推奨するほか、民間企業と協定を締結し、様々な取組を行っています。  例えば、生命保険会社の営業活動の際に、県が作成したリーフレットを活用し、がん検診の普及啓発を行っていただいています。  こうしたことにより、本県の子宮頸がん検診受診率は、令和元年度は47.4%で、全国平均の43.7%より高く、平成22年度の37.9%よりも上昇しています。しかし、子宮頸がん検診受診率は、県計画の目標値である50%には達していません。  議員御提案の自主検査キットは、子宮頸がん自体を発見するものではなく、その主な原因であるHPV感染の有無を検査するものです。この自主検査をきっかけとして、がん検診を受診する方は確かにいるかもしれません。  しかし、自主検査では、検体を正確に採取できない可能性があり、偽陰性となった方の子宮頸がんが見落とされる危険性があるため、国立がん研究センターは、検査としては推奨しないとしています。  そこで、この自主検査への対応については、引き続き、国の動向を注視していきます。  なお、子宮頸がん検診受診率向上のため、子宮頸がんをテーマにしたシンポジウムや、新たな子宮頸がん検診啓発動画の作成、ライトアップイベントなども行っていきます。  県は今後とも、様々な取組を行うことにより、子宮頸がん検診受診率の向上を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔健康医療局長(山田健司)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 山田健康医療局長。 ◎健康医療局長(山田健司) 健康医療局関係の御質問にお答えします。  コロナ第8波に向けた県の取組についてお尋ねがありました。  まず、抗原検査キットについてです。  抗原検査キットについては、国から、この冬、2億3,000万回分のキットが確保されると聞いております。一方で、ピーク時には、1日75万人の発熱患者が発生すると国は試算していますが、仮に、この状況が2か月続いたとしても、患者数は延べ4,500万人であり、全体量としては不足の心配はないと考えています。  しかし、ピーク時に需要が急増すると、一時的に流通面で支障が出る可能性もありますので、各御家庭での備蓄を、県から引き続き呼びかけていきます。  次に、コールセンターについては、第7波を超える感染者が発生した場合でも、電話がつながりにくくならないよう、12月中旬をめどに体制強化を図っていきます。  具体的には、緊急時の連絡先となるコロナ119について、第7波では、45回線から95回線まで拡大しましたが、今回は、さらに139回線まで拡大します。また、相談に応じる看護師も、第7波の50人から113人の体制に順次、増員しています。  次に、オンライン診療についてです。  オンライン診療に必要な機器に対する補助事業については、これまでに50件以上の問合せを頂いていますが、申請は6件にとどまっています。  一方で、先月、開催したオンライン診療を行っている医師を講師に迎えた指南塾等の説明会には、延べ約800の医療機関に御参加いただいています。  そこで、今後は、こうした医療機関に直接働きかけるとともに、関係団体を通じた広報を行い、オンライン診療の拡大を図っていきます。こうしたことにより、第8波の備えに、しっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔総務局長(筒浦浩久)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 筒浦総務局長。 ◎総務局長(筒浦浩久) 総務局関係の御質問にお答えいたします。  神奈川県職員等不祥事防止対策協議会についてお尋ねがありました。  神奈川県職員等不祥事防止対策協議会は、県の不祥事対策の充実強化について、意見や助言を頂くための附属機関でありまして、弁護士、公認会計士のほか、行政学、リスクマネジメント、情報管理等を専門とする学識者の方々、経済界を代表する企業経営者の6名の委員で構成しています。  これまで各委員の専門的な知見を生かし、県の不祥事防止対策について具体的な手法を含めた助言や意見を頂き、不適正経理の再発防止策や不祥事防止個人点検など、不祥事防止対策の実施に生かしてきました。  また、令和2年5月には、ハラスメント及び過重労働の防止に向けた取組強化について提言を頂きました。県はこの提言を踏まえ、ハラスメントの防止、根絶を働き方改革取組方針に盛り込み、上司と部下、同僚同士のコミュニケーションを深めることで、風通しよく、ハラスメントのない、お互いを支え合う笑顔のある職場づくりを進めています。  一方、不祥事に関する動きは変化しており、例えば、ハラスメント一つ取っても、ここ数年のうちに新たな問題が生じ、多様化が進んでいます。  不祥事防止対策は、こうした状況の変化に的確に対応できるよう、不断の見直しが必要です。協議会の在り方についても、対策の見直しを進める中で検討していきたいと考えています。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の御質問にお答えします。  県立高校における不登校を含む長期欠席生徒への支援についてお尋ねがありました。  県立高校で増加している長期欠席の生徒に対し、学習支援や安心して過ごせる居場所づくりなど、社会的自立に向けた支援は大変重要です。  そのため県立高校では、長期欠席の生徒の学習に遅れが生じないよう、希望する生徒にオンラインを活用して学びの機会を提供しています。具体的には、自宅からクラウドサービスを利用して課題の受け取りや提出を行うほか、オンデマンドや同時双方向で授業を受けるなど、生徒の実情に応じた支援を行っています。  また、昨年度、総合教育センターでは、不登校相談に来ている高校生が安心できる居場所として、K-roomを開設しました。  K-roomでは、同年代との交流や学習支援、進路支援などの取組を生徒一人一人のペースに合わせて進めています。昨年度は13人の利用があり、自分は自分でいいと思えるようになった、困ったら助けてくれる大人に聞くことで、疑問を解決することができたなどの声が寄せられています。  県教育委員会としては、今後もこうした取組の充実を図り、県立高校における長期欠席の生徒への学習支援や居場所づくりなどに努めてまいります。  答弁は以上です。  〔市川よし子議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 市川よし子君。  〔市川よし子議員登壇〕 ◆市川よし子議員 それぞれ御答弁ありがとうございました。  私からは、2点、再質問させていただきたいと思います。  最初は、県有施設におけるZEB・ZEHの推進及び公用車の取組についてですが、公用車の電動車化を進めるならば、当然その充電施設も必要になります。早急に、県施設での設置、今なかなかないんですけれども、検討すべきと考えますが、御所見を伺います。  次に、コロナ第8波への対応についてですが、御答弁を伺ったのですけれども、大丈夫だとおっしゃるんですが、本当に大丈夫か、実は不安が非常に募りました。  200件の目標のオンライン診療が、現在のところ、数だけ聞くと6件ということで、ちょっと個人的には非常に、大丈夫かなと思ったんですが、中でも一番私が心配している、実は検査キットでございます。  この備蓄を呼びかけるために、今、県はチラシを使って呼びかけているんですけれども、これについては一定の評価をいたしますが、ちょっと情報が多過ぎて、備蓄というのに少し目がいかないような印象があります。もうこれは備蓄をちゃんとしてもらわないといけないと思うんですけれども、できればやっていただかなきゃいけないと思うんですが、より端的に伝わるような工夫を凝らすべきじゃないかと思うんですけれども、伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 再質問にお答えいたします。  公用車の電動車化をするに当たっての充電施設の設置についてのお尋ねでありました。  公用車の電動車化に当たっては、車両の更新だけではなく、御指摘のように充電施設も必要であります。充電施設につきましては、公用車のEVへの更新と合わせて、公用車が配備されている場所に、計画的に設置していきたい、そういうふうに考えております。  答弁は以上です。  〔健康医療局長(山田健司)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 山田健康医療局長。 ◎健康医療局長(山田健司) 健康医療局関係の再質問にお答えします。  県では、抗原検査キットの常備を呼びかけるチラシを作成し、県内の薬局やドラッグストアにデータを提供しています。このチラシに加えまして、今後は、備蓄を訴えるようなポップも作成し、提供していきたいと考えています。  以上です。  〔市川よし子議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 市川よし子君。  〔市川よし子議員登壇〕 ◆市川よし子議員 再質問への御答弁ありがとうございました。  それでは、意見、要望を言わせていただきたいと思います。  まずは、コロナの第8波への対応についてです。  オンライン診療については、今後を考えると本当に拡大していっていただきたい、これは私も応援しているんですけれども、ちょっと現状を伺うと、同時流行に向けて、県が思うほど増えていくのかなと、非常に私自身も心配に思っています。より積極的な取組をお願いしたいんですが、それとともに、年末年始、医療体制が脆弱になる、発熱外来を受けてくださる医療機関を一つでも多く増やすことなど、あらゆる対策を図っていただくことを求めておきます。なかなか発熱外来に連絡しても、ちょっと今と言われたりして診てくれなかったりと、第7波で相当いろいろなお声がありましたので、ぜひ、しっかりとやっていただくことを求めます。  また、検査キットなんですけれども、ネットで買えるようになったり、先ほどおっしゃるように流通があるよといっても、実際、手に入らなかったのが事実です。いざ、はやってくると買えない、これが私たちに届いている率直な声です。当局の意識との乖離に危機感を覚えます。  国は検査キットを介護や保育施設には無料で配布して、実は健康な方に対して定期的な検査を求めたりしているんですが、その一方で、本当に必要とした方に行き渡っていないということがある。政策的なミスマッチを感じるのは私だけでしょうか。年末年始目前です。危機感を持って対応を図られることを強く求めたいと思います。  続きまして、県有施設におけるZEB・ZEH、そして公用車についてですけれども、今後、全ての建物、県有施設に、こうしたZEB・ZEHを導入していくという御答弁でございました。  これからの世界の変化に向けた大きな判断と評価させていただきたいんですけれども、ぜひZEB・ZEH化、そして公用車についても、充電施設がなければ動きませんので、そちらの導入も併せて加速を求めておきたいと思います。  次に、子どもの権利に関する条例についてです。  子供の権利への思いの方向は一緒であると答弁で確信しました。特に、今後、議論を重ねていかなければならないのは、先ほど言った、子供の意見表明権などになると思います。ぜひ、特化した条例を私は求めたいと思うんですけれども、よろしくお願い申し上げます。  続きまして、不登校に対する長期欠席生徒への支援なんですが、ちょっと御答弁の中で頂けなかったんですけれども、病気欠席の、この中の実は半分が心療的な理由で実は休まれているということをちょっと伺いました。大変な問題だと思っています。ぜひ、その取組をしっかりとやっていただくことを強く求めたいと思います。  また、最後の不祥事防止に関しては、私ごとと思って、私も自戒を込めて質問させていただきました。本当にいろいろな意味で、これからは、いろいろな視点が必要になってくると思います。今までの常識じゃないことを、今まで常識だと思っていたことがそうではないということも含めて、私たちがしっかりと、そういった職員の方だけでなく、課題を共有してまいりたいと思います。  以上で、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時53分 休憩       ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和4年第3回-20221207-029351-質問・答弁-河本文雄議員-一般質問①県政の諸課題について②安全・安心な暮らしに向けた取組について》                   午後3時15分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共95名 ○議長(しきだ博昭) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 質問を続行いたします。  河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕(拍手) ◆河本文雄議員 相模原市中央区選出の河本文雄です。  私は、自由民主党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問をいたします。  知事、スポーツ局長環境農政局長県土整備局長、教育長及び警察本部長におかれましては、明快かつ前向きな御答弁をお願いいたします。また、議員の皆様におかれましては、いましばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、県政の諸課題についてを伺います。  初めに、戦争体験や記憶の次世代継承についてです。  明日は12月8日です。81年前のこの日、太平洋戦争が始まりました。夢や希望に満ちあふれた多くの若者たちが戦場に向かい、灼熱の南方で、酷寒の大地で、漆黒の大海で、激しい戦火の中、祖国の繁栄を願い、郷土に残した愛する家族を思いながら、240万人を超える貴い命を失うこととなりました。  そして、残された家族も、どれだけつらい思いを抱えながら戦後を生き抜いてきたかと思うとき、今もなお深い悲しみが胸に迫ってきます。  私たちの世代は、家族や親族に少なからず戦争で亡くなられた方がおり、空襲や疎開などを経験した親の世代から、身近な親族や地域の人たちに起きた出来事として、悲惨な戦争の体験を教えてもらってきました。  また、各地域では、それぞれ戦没者を追悼する慰霊碑が建立され、代々引き継がれてきています。  このように、戦争を知らない世代への戦争体験と記憶の継承は、家庭や地域で、祖父、祖母から子、孫へと行われ、さらに、戦没者の遺族が自ら語り部として、若い世代に戦争体験を語り継ぐ活動を通じて行われてきました。  しかし、終戦から長い月日がたち、戦争を経験した人の高齢化が進み、戦争の記憶が遠いものになってきています。  家庭の世代交代も進み、戦没者遺族会の会員数も減少して、戦争体験と記憶の継承の取組が縮小しつつあります。このままでは、近いうちに戦争の記憶が風化し、忘れ去られてしまうのではないかと、私は大変危惧しています。  そうした中、全国各地で行われている戦没者追悼式の中には、小中高校生が参加するなど、追悼行事が若い世代に引き継がれている例もあります。  〔資料提示〕  また、神奈川県においては、令和元年度の県主催戦没者追悼式に大学生が参加し、今年の全国戦没者追悼式には、初めて、孫、ひ孫世代で構成される県遺族会青年部が参列したことが新聞で報道されるなど、新たな取組を進めていることは承知していますが、残された時間を考えると、こうした取組をさらに加速させていかなければなりません。  そこで、知事に伺います。  戦争を経験した世代が減少する中にあって、戦争体験や記憶を若い世代に継承するために、どのような取組を行っていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、農業遺産の認定についてです。  農業遺産は、社会や環境に適応しながら、何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と、それに密接に関わってきた文化や地域的なまとまり、生物多様性などが相互に関連して一体となった地域を、将来に受け継がれるべき重要な農林水産業システムとして認定する制度であります。  世界では、国連食糧農業機関─FAOが世界的に重要かつ次世代に継承すべき伝統的な農林水産業を営む地域を世界農業遺産としており、これまで日本では13地域が認定されています。  最近では、山梨県峡東地域の「峡東地域の扇状地に適応した果樹農業システム」、滋賀県琵琶湖地域の「森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」などが認定を受けています。  また、国内では、農林水産業が、地域ぐるみで6次産業化の促進が積極的に行われていることなど、日本独自の基準を加えた地域を日本農業遺産とし、関東近県では、埼玉県武蔵野地域で、武蔵野の落ち葉堆肥農法が認定されるなど、全国で22地域を認定しています。  本県においても、各地域で特色を生かした多彩な農林水産業が営まれており、生産された農林水産物は、その生産技術とともに、地域の農業者や漁業者に代々受け継がれ、地域の名産品として県民に定着していますが、これまでに県内では農業遺産に申請した地域はない状況です。  令和3年第3回定例会で、農業遺産の認定の推進について質問したところ、認定申請に当たり、広く制度を周知し、認定申請の要件に適合する地域があるか調査を行うとの答弁がありました。  そこで、知事に伺います。  農業遺産の認定について、これまでどのように取り組み、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、普及指導員による農業者支援についてです。  農業は天候などの自然現象に左右される部分が大きく、作物を安定的に生産するには、地域の気候や土壌に合った品種を栽培するとともに、毎年変化する状況に対応して農作業を適切な時期に実施する必要があり、そのための知識や技術を農業者が身につけることが大変重要です。  〔資料提示〕  こうした知識・技術を指導するため、県においては、各地域にある農業技術センターに普及指導員を配置していることは承知しています。  私の地元でも、就農したばかりの農業者が、ノウハウがない中で栽培に試行錯誤しているときに、普及指導員による助言を受けられたことで、栽培技術が向上し、生産量の増加、経営の安定につながったと聞いています。  〔資料提示〕  また、県内では普及指導員の技術指導により、地域を代表するような農産物の産地が育成され、他産地との販売の差別化が図られ、農業者の所得が向上した事例もあります。  具体的には、県が育成した湘南ゴールドについて、栽培が開始された平成13年から、普及指導員が生産現場での技術指導に積極的に取り組んだ結果、今では県西部を代表する農産物のブランドとなり、地域の果樹農家の経営の安定につながっています。  さらに、近年では、農業経営力の強化に向けた6次産業化の取組、観光農園の開設やインターネット販売など、販路が多様化してきています。  また、新型コロナウイルスなどによる社会情勢の変化は、農業に大きな影響を与えていることから、普及指導員に求められる役割も変化してきていると感じています。  こうした本県農業を取り巻く環境が変化している中で、将来にわたって本県の農業を振興するためには、普及指導員が県の研究部門などはもとより、農業の関係機関と連携を図り、農業者にとって真に有効な、生産現場で必要とされている支援を継続的に行っていく必要があります。  そこで、環境農政局長に伺います。  農業経営の発展に向けた普及指導員による農業者支援について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、かながわ駅伝の開催についてです。  先月開催されたねんりんピックかながわ2022では、全国から約1万人が本県を訪れ、大きな盛り上がりを見せて幕を閉じました。  また、先般、横浜マラソンがリアル大会としては3年ぶりに開催されました。約2万1,800人が参加し、天候にも恵まれたことから、多くのランナーが横浜の町並みを笑顔で駆け抜けたことも、記憶に新しいところです。  ラグビーワールドカップや東京2020大会、そして、ねんりんピックと、本県で行われたビッグイベントも無事に終了し、今年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を講じながら、様々なスポーツイベントが再開されるようになりました。  〔資料提示〕  このように、県でも続々と再開されているイベントがある中で、2月に、かながわ駅伝を3年ぶりに開催する予定だと聞いています。このかながわ駅伝は、戦後からの長い歴史を数え、市町村対抗で行う数少ないスポーツイベントと承知しています。  9月の定例会でも、我が会派から質問させていただいたとおり、箱根駅伝は、再来年には100回記念大会を迎えます。このかながわ駅伝も80年近い歴史があると聞いていますが、箱根駅伝と比較すると、あまりにも知名度が低いように感じます。  私の地元である相模原市は、かながわ駅伝に積極的に参加し、相模原市陸上競技協会も前向きに取り組んでおります。  一昨年の2月、スポーツ局と相模原市陸上競技協会との、かながわ駅伝についての意見交換に私も参加しましたが、その際に、知名度だけではなく、選手の安全の確保など様々な課題があることも聞かせていただきました。  公道を走るという中で、様々な課題があることは理解しますが、かながわ駅伝は市町村の代表という誇りをたすきに込めて走る大会であり、県民ランナーにとって目標とする大会の一つでもあります。  長い伝統を誇るかながわ駅伝の開催は、これから箱根を目指すようなランナーにとっても喜ばしいことであり、市町村対抗の競技会を通じて、各市町村相互の交流も図られ、陸上競技の裾野の拡大にもつながると考えます。  そこで、スポーツ局長に伺います。  3年ぶりの開催となる第77回かながわ駅伝について、どのように大会を盛り上げ、安全かつ魅力ある大会にしていくのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 河本議員の御質問に順次お答えしてまいります。  県政の諸課題についてお尋ねがありました。  まず、戦争体験や記憶の次世代継承についてです。  令和7年には戦後80年を迎えます。戦争体験者の高齢化が年々進む中、戦争のない未来の実現のためには、若い世代が当時の貴重な体験や証言に触れて、戦争の悲惨さや平和の尊さを実感することが大切です。  県ではこれまで、自らの戦争体験を語り、証言する語り部を県内の小中学校等に派遣してきました。また、今年度は、県内全ての小中高等学校などに県の戦没者追悼施設を案内するチラシを配布して、子供の頃から戦争の実態に触れ、命の貴さを学ぶことができるよう取り組んできました。  ウクライナへの軍事侵攻によって、平和への関心は高まりつつありますが、若い世代にとって、我が国が経験したさきの大戦は遠い時代の出来事で、現実のものとして想像することは難しくなっています。  戦争の記憶を風化させないためには、若い世代の目線で、一人一人が自分事として学ぶことができる取組を充実させていくことが必要です。  そこで、県では、大学と連携して、県の戦没者追悼行事に学生の意見を取り入れたり、学生に式典に参加してもらうなどの取組を進めます。また、若い世代がスマートフォンなどで、いつでも戦争の体験や記憶を学ぶことができるよう、戦没者追悼施設や戦争体験を紹介するポータルサイトを新たに開設します。  さらに、戦争体験者の証言のデジタル化を進め、戦争の記憶を風化させることなく、いつまでも伝え続けることができる環境づくりに取り組みます。  県は今後も、若い世代一人一人が平和への関心を持ち、戦争の悲惨さや平和の尊さが未来に引き継がれていくよう取り組んでまいります。  次に、農業遺産の認定についてです。  県内では、気候風土を生かした多様な農林水産物が生産されており、重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域として農業遺産に認定されれば、農林水産物のブランド化や地域活性化の効果が期待されます。  そこで、県は、認定申請に向け、農業遺産制度の理解促進のため、国の説明会に参加し、その内容を市町村及び農業や商工の団体等に周知しました。さらに、認定の基準である、おおむね100年以上の歴史があり、現在も農業が営まれている地域がある市や地元農協と意見交換を始めています。  認定された場合、地域自らが農業遺産の保全や次世代に継承していく活動が求められるため、市町村を中心とした地域での合意形成が何より重要です。  また、農業遺産の認定を地域活性化につなげていくためには、地元だけでなく、多くの方に制度を知っていただくことも必要です。そのため、県は、認定を既に受けている他県の合意形成に関するノウハウを提供するなど、要件を満たす可能性のある県内の市町村等が、地域での協議を進められるよう促していきます。  あわせて、市町村のほか、県民が多く訪れる県有施設等に農業遺産のパンフレットを配布するなど、県民の認知度向上にも努めていきます。  こうした取組により、農業遺産への理解と機運醸成につながるよう、市町村や地元を支援してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(鈴木真由美)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 鈴木環境農政局長。 ◎環境農政局長(鈴木真由美) 環境農政局関係の御質問にお答えします。  普及指導員による農業者支援についてお尋ねがありました。  普及指導員は、本県農業の生産性向上や新たな作物の産地づくりに向け、担い手育成や、農業者に直接、新技術の指導を行うなど、重要な役割を担っています。  県は、農業技術センターに普及指導員を配置し、就農初期から経営状況に応じた研修会等を開催し、農業者の栽培技術や経営能力の向上を図っています。  また、昨年度、県が育成したイチゴの新品種「かなこまち」について、普及指導員が安定した生産に向けた栽培技術を農業者に指導するなど、地域の農業者の経営に合わせた産地づくりを支援しています。  そうした中、肥料や燃油価格の高騰など、社会環境の変化や農産物の高付加価値化等にも、普及指導員は対応していく必要があります。  そこで、普及指導員が化学肥料を使わない有機農業など、先進技術を国等の研修で習得するとともに、民間とも連携し、燃油の使用量を削減する暖房方法などの新たな知見を活用して農業者を支援します。  また、普及指導員が地域の栽培環境や生産者のニーズを把握した上で、研究部門と連携した技術指導等により新たな農産物のブランド化を支援することで、魅力ある産地づくりを目指していきます。  このように、普及指導員が、求められる支援内容に対応しながら農業者を支援していくことで、本県の農業者の経営発展を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔スポーツ局長(三枝茂樹)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 三枝スポーツ局長。 ◎スポーツ局長(三枝茂樹) スポーツ局関係の御質問にお答えいたします。  かながわ駅伝の開催についてお尋ねがありました。  かながわ駅伝は、今年度で第77回の開催を迎える歴史と伝統を誇る大会です。代表選手は、中学生から一般まで幅広い年齢層で構成しており、中高生ランナーにとっては憧れの先輩ランナーと共に走ることができる機会となっています。  また、代表選手の選考には、独自に競技会を開催している市町もあり、競技力の向上や競技の裾野拡大にもつながっています。  このように、陸上競技関係者にとって意義のある大会ですが、これまでの秦野から相模湖までのコースは、国道246号や412号で交通量が増加しているため、コースの確保は問題となっていました。  そこで、今回の開催に当たり、これまでのコースから、神奈川県実業団駅伝や高校駅伝で使用され、県内ランナーになじみの深い丹沢湖の周回コースへと変更することとしました。  また、これにより、開会式と閉会式を同じ場所で行うことができるようになるため、観客を対象としたブース出展やイベントも開催し、大会を盛り上げていきます。  さらに、3年ぶりの大会を記念して、箱根駅伝出場経験のある県内の大学駅伝チームが、市町村対抗レースの後を追ってスタートし、レースを盛り上げるエキシビジョンレースも実施する予定です。  県では、歴史と伝統あるかながわ駅伝を新たな取組により、多くの県民の皆様に注目され、選手にとっても安全で魅力あふれる大会にしてまいります。  答弁は以上です。  〔河本文雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕 ◆河本文雄議員 それでは、再質問いたします。  戦争体験や記憶の次世代継承について再質問いたします。  戦争体験や記憶を次世代に継承するためには、若い世代の目線で取り組んでいくことは大変重要であります。  先ほど答弁の中で、戦争体験者の証言のデジタル化を進めるとの答弁がありました。このデジタル化について、県では、具体的に、どのように取り組んでいこうと考えているのか、伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 再質問にお答えいたします。  現在、実際の戦争体験者の姿を映像化した画面の中の語り部が、子供たちに自分の体験を語りかけたり、質問にも答えることができる、こういったAIを活用した取組が始まっています。  こうした新しい技術の導入を検討するなど、若い世代に戦争の記憶や証言を伝え続けることができる環境づくりに、しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。  答弁は以上です。  〔河本文雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕 ◆河本文雄議員 要望いたします。  戦争体験や記憶の次世代継承について、今、答弁がありましたが、とにかく時間がないと思っています。戦没者遺族会の会員減少数は、私の地元、相模原市だけで、直近の6年間で221人、ですから1,000人を切って、900人ということになります。県全体では、4,000人余りが6年間で減少しております。これは、平成29年に1万1,117人であった会員が令和4年10月に7,877人となったということです。これは5年、6年の数字なんですが、多分これよりも、次の5年間というのは、非常に多くの方が、やはり高齢化が進んでおりますので、会員数は減っていくのかなと思っています。  次世代への記憶の継承は、本当に喫緊の課題であると思いますし、今、答弁にありましたデジタル化、このことについても早急に取り組んでいただけるよう、お願いします。  あとは、そういったデジタル化だけじゃなくて、先ほど質問しましたが、若い世代、小中高校生、そういった方に、特に戦没者追悼式なんかにも、式辞等、そういったことを述べていただく、中心的な追悼式の役割を果たしてもらう。そういった取組を進めていただければ、戦争についての悲惨な体験、そういった継承もできると思っていますので、よろしくお願いいたします。  それから、農業遺産の認定についてです。  このことについては、昨年、質問したときも調査をしていくということで、私の知っている限りでは、県内では、その認定の条件に当てはまる地域は、小田原市の梅の栽培ですね、それから、三浦地域の大根、スイカかな、そういった農法だと思っていますが、そういった地域もありますので、ぜひともここは農業遺産だけでなくて、認定されれば、観光、また地域活性化等、そういった様々なメリットもあります。  ですから、農業者だけでなくて、農商工が連携して、こういった取組をぜひとも進めていただきたい、そこのところは粘り強く推進していただくことを要望いたします。  それから、普及指導員による農業者支援については、このことについては、本当に普及指導員さんは、例えば、果樹などは指導員の指導というのがなければ、なかなか、良質な果実を得ることは大変だということを聞いております。指導員に指導いただかなければできないっていう話も聞いておりますし、とにかく指導員がいないと、神奈川の名産、先ほど「かなこまち」でしたっけ、についてのイチゴの話もありましたが、そういった名産品はできませんし、特に、やはり他県の同じ生産物でも差別化するということをぜひやっていただきたいし、また、この指導員さんが、農業者が心配しているのは、例えば人事異動や退職、そういったときに担当者が変わる、そういったときに、スムーズな引継ぎをぜひお願いしたい、そういった依頼も受けておりますので、ぜひとも農業者に対して切れ目のない支援を今後も続けていただくことを要望いたします。  そして、かながわ駅伝については、先ほど、歴史は80年近いという話です。長く続いたということに関しては、本当に関係者の皆様に敬意を表します。  ただ、このことについてはやはり、該当する市町村が、自らの市町村を、かながわ駅伝ということをPRしていただいて、そして、市町村のそういった市町村民が、かながわ駅伝という言葉を知っていただき、また、そのことによって応援する、そういったことで地域の一体感が醸成されると私は考えておりますので、県も、市町村と、とにかく連携を密にしていただいて、かながわ駅伝がさらに盛り上がる大会となるよう要望いたします。  〔河本文雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕 ◆河本文雄議員 質問の第2は、安全・安心な暮らしに向けた取組について伺います。  〔資料提示〕  初めに、健康団地の推進に向けた取組についてです。  県では平成31年3月に、県営住宅の現状や取り巻く課題等を踏まえ、だれもが健康で安心していきいきと生活できる「健康団地」への再生を基本方針とした健康団地推進計画を策定したことは承知しています。  この計画では、今後10年間で建設後おおむね50年が経過し、建て替えの時期を迎える約2万8,000戸については、建設後70年までに建て替えるとともに、建て替えに合わせて、団地ごとに地域に開かれた健康づくり、コミュニティーづくりの拠点等を整備するとしています。  〔資料提示〕  また、健康づくりやコミュニティーづくりなど様々な居住支援の取組を進め、近隣住民を含めた交流によるコミュニティー活動の活性化を図ることとしており、ハード・ソフト両面の取組を一体的に行い、全ての県営住宅を地域に開かれた、誰もが健康で安心して生き生きと生活できる健康団地へと再生するとしています。  そのような中、最近の取組では、県営住宅の建て替えについて、私の地元である上溝団地の建て替えに当たり、県営団地として初めてPFI方式による建て替えに着手するなど、計画に基づいた取組が進められていることは承知していますが、一方で、最近、団地内を歩いてみると、コロナ禍の影響により、住民が健康づくりに取り組んでいる姿が減っているのではないかと感じており、健康団地の最も肝腎な健康というキーワードの実現に向けた取組を数多く進めていくべきと考えます。  特に高齢化が進んでいる県営団地においては、バリアフリーを進めるのはもちろんのこと、入居者の健康に着目した取組をしっかりと展開することが必要であります。それらの取組により、住民の方の健康意識が高まり、ひいては健康寿命が延びることが健康団地の実現につながると思います。  昨今のコロナ禍の影響により、住民に直接アプローチするような事業が実施できていないことは一定程度理解しますが、健康団地を推進している県として、健康意識を高めていく取組をさらに進めていく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  入居者の高齢化が進んでいる県営団地において、健康に着目した取組をこれまで以上に進めていく必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、相模原市域における境川の整備についてです。  今年も全国各地で記録的な豪雨により河川が氾濫し、大規模な浸水被害が発生しています。  神奈川県においても、同様の被害がいつ発生してもおかしくない状況にあり、特に、市街地を流れる中小河川の氾濫を心配しています。  私の地元、相模原市を流れる境川は、平成20年8月の豪雨において、根岸橋上流で氾濫し、相模原市域及び対岸の町田市域の多くの家屋で床上床下浸水が生じるなど、甚大な被害が発生しました。  〔資料提示〕  最近では、令和3年8月の豪雨でも増水し、相模原市域周辺に設置されている3か所の水位観測所全てで氾濫危険水位を超過するなど、あと少しで氾濫するところまで危機が迫り、多くの市民が浸水の危険性を再認識したところであります。  また、相模原市においては、下水道の雨水管を整備し、この地域の浸水対策を進めていますが、放流先の境川が整備途上であるため、放流量が抑制され、その能力は十分に発揮できない状況にあると聞いています。  特に、根岸橋から馬場橋までの約3キロメートルの区間は、川幅も狭く、過去には、浸水被害も発生していることから、地元からは一刻も早い整備が望まれています。  境川上流部では、護岸等の整備が進んでおらず、周辺地域にお住まいの方々は、台風が近づくたびに不安を募らせており、私の元には毎年のように、境川の早期整備を要望する声が寄せられています。  こうした住民の方々の要望に応え、地域の安全・安心を確保するためには、不安を抱える住民の声をよく聴き、進捗状況を説明し、地域の協力も得ながら、事業推進を図っていくことも大変重要であり、私も昨年の本会議で提案したところであります。  〔資料提示〕  県は、境川の護岸や遊水地の整備を積極的に進めていることは承知していますが、境川の整備は待ったなしであり、近年の水害の激甚化、頻発化を踏まえると、整備を加速していく必要があると考えます。  そこで、県土整備局長に伺います。  相模原市域における境川の整備について、これまでどのように取り組み、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、県立高校の老朽化対策についてです。  本県には、約90万人の小中高等学校に通う児童・生徒がおり、若い世代への投資は重要となってきています。特に、県が直接運営している県立高校の環境整備は、神奈川の未来につながるものとして大変重要な課題であり、子供たちがしっかり学べる環境を整備することが重要であると考えます。  しかしながら、県立高校は県立高校百校新設計画、いわゆる百校計画で建設された学校が数多く存在しており、設置から40年以上を経過しているため、壁や床に汚れや亀裂があったり、扉や窓にさびが発生しているなど、経年劣化が進んだ校舎が見られる学校があります。  私の地元の相模原市においても、耐震性の問題や移転の関係で、近年、校舎を新築した上溝高校や相原高校があり、また、現在も耐震補強工事と老朽化対策工事を実施している相模原高校や城山高校があります。その一方で、建物の不具合が発生し、今後の老朽化対策が必要となっている学校も残っています。  〔資料提示〕  こうした状況に対し、県教育委員会では、平成28年度から新まなびや計画に基づき、耐震補強工事と合わせ、老朽化対策を実施するとともに、令和6年度から、耐震補強工事の対象とならなかった校舎などについて、総合的な老朽化対策に取り組むことは承知しています。  県内には、老朽化対策が必要な校舎が数多くあることから、今すぐに建て替えは難しいと理解をしています。しかしながら、建て替えを行わない場合、築40年以上を経過する校舎が年々増加していくことは明らかです。生徒の学び場である校舎等の老朽化対策をしっかりと行い、計画的に長寿命化を図っていくことがますます重要となってきています。  そこで、教育長に伺います。  老朽化が進む県立高校の校舎などについて、長寿命化をどのような考え方で進めていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  最後に、特殊詐欺被害防止対策についてです。  県内の特殊詐欺被害については、令和2年、3年と2年連続で、認知件数、被害額とも減少したものと承知しており、これは、県警察が中心となり、関係機関・団体と一体となった取組を強力に推進した成果であると高く評価しているところであります。  他方で、本年の特殊詐欺情勢を見ると、本年10月末現在、認知件数、被害額ともに、令和3年の同時期と比較して大幅に増加しており、特に、オレオレ詐欺と還付金詐欺が顕著に増加傾向を示しています。  〔資料提示〕  県警察においては、これまでも「私たちはダマされません!」とデザインされた県民の目を引く特殊詐欺被害防止チラシの作成や、金融機関をはじめとした関係機関・団体等と連携した被害防止対策等を推進しているほか、多数の被疑者を検挙し、その検挙報道等により犯罪抑止効果など、特殊詐欺対策を最重要課題と位置づけた上、県警察の総力を挙げて取り組んでいただいており、本年の特殊詐欺被害の増加にも機敏に対応し、各種対策を講じているものと承知しています。  しかしながら、当県における特殊詐欺の発生は、全国的に見ても多く、県民が安心して暮らせる社会を実現するためには、県警察による被害防止や取締りをさらに強化していくだけではなく、自治体や事業者、地域住民との連携が必要です。  特に、特殊詐欺の被害者が、犯人に渡す現金を用意するために訪れる金融機関と連携した被害防止対策が重要と考えています。  そこで、警察本部長に伺います。  現状の特殊詐欺発生状況を踏まえ、これまでどのような対策を行い、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 安全・安心な暮らしに向けた取組についてお尋ねがありました。  健康団地の推進に向けた取組についてです。  県営団地にお住まいの高齢者に、心身共に健康に暮らしていただくためには、県営団地において、健康づくりに向けたコミュニティー活動の充実が重要です。  これまで県は、健康団地推進計画に基づき、未病改善を目的としたコグニサイズや、歯と口の健康相談会等の開催を支援してきました。  しかし、コロナ禍により、こうした活動の場となっていた集会所の利用を中止していたこともあり、多くの県営団地では、お住まいの高齢者が家に籠もりがちになっています。  そこで、県は、団地の高齢者が改めて地域と交流し、社会参加していただけるよう、今年度、高齢者等を対象に音楽の普及を行っている一般社団法人であるユースクラシックへ委託し、大学生など若い方の協力を得ながら、シニアによる合唱活動を始めました。  さらに、今後、新たな取組として、屋外でのウオーキングや健康づくりのための体操など、感染リスクが低い運動プログラムを、未病の改善に協力していただいている企業や団体と連携し、実施します。  また、団地の高齢者等から、幼い頃に慣れ親しんだ昔遊びを通じて、地域の子供たちと交流したいといった声が寄せられていますので、こうした多世代が交流する催しを企画し、自治会と連携して実施します。  県は、こうした取組により県営団地のコミュニティー活動を充実させ、高齢者に生き生きと暮らしていただくための健康団地の取組を一層、加速させてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(大島伸生)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 大島県土整備局長。 ◎県土整備局長(大島伸生) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  相模原市域における境川の整備についてお尋ねがありました。  近年、台風の大型化などにより全国で水害が頻発しており、県内河川の中でも、流域の都市化の進展が著しい境川の整備は喫緊の課題となっています。  これまで県は、境川を都市河川重点整備計画に位置づけ、時間約60ミリの降雨に対応できるよう、遊水地や護岸の整備を進めてきました。今年の3月には、相模原市緑区の境川最上流部で風間遊水地の本体工事が完了し、大雨時に河川の水位を低下させることが期待されます。  また、相模原市中央区の根岸橋上流、約2.9キロメートルの区間は、川幅が狭く、氾濫リスクが高いことから、川を拡幅する工事を集中的に進めています。  一方、川を拡幅するためには、地権者の皆様から土地をお譲りいただく必要があり、粘り強く事業の必要性を説明し、交渉をまとめることが求められます。  また、工事完成までには長い年月を要するため、地域の皆様に対し、事業の進捗状況を適宜お伝えし、御理解を頂く必要があります。  そこで、県は、引き続き、地権者の皆様に対して説明を重ね、それぞれの事情もお伺いしながら、お一人お一人と丁寧に交渉を進めていきます。  また、今年度から、川沿いの自治会との意見交換の場を設けており、今後は、これを定期的に開催し、整備の見通しを御説明するとともに、地域の御意見をよくお聴きしながら事業を推進していきます。  県は今後も、国の国土強靱化予算を最大限活用することで事業の前倒しに努め、相模原市域における境川の整備にしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の御質問にお答えします。  県立高校の老朽化対策についてお尋ねがありました。  県立高校の校舎は、その6割以上が建築後40年を超えており、施設全体の老朽化対策が大きな課題になっています。  そのため県教育委員会では、現在、新まなびや計画に基づき、耐震対策と合わせて老朽化対策に取り組んでいます。  例えば、昨年度、校舎の耐震対策が完了した県立光陵高校では、外壁補修や屋上防水、給排水管の更新といった老朽化対策を実施しました。  また、各学校で緊急に対応する必要がある修繕が生じた場合には、各所営繕工事により適切に対応しています。  こうした中、国は、適切な維持管理がなされ、コンクリートや鉄筋の強度が確保される場合は、70年から80年程度の長寿命化が可能としています。  そこで、学校施設の耐震対策が完了した後には、築年数やこれまでの改修等の履歴を踏まえ、老朽化対策を計画的に実施していきます。その際には、校舎の状況に応じて、教室の天井、床などのリフレッシュや照明のLED化など、屋内環境の整備について、学校の要望を聞きながら進めていきます。  県教育委員会では今後も、こうした取組を通じて学校施設の長寿命化を図り、生徒たちの快適な学習環境の確保に努めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(林  学)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 林警察本部長。 ◎警察本部長(林学) 特殊詐欺被害防止対策についてお答えいたします。  県内における特殊詐欺の被害状況は、暫定値ではありますが、令和4年10月末現在、認知件数は1,557件、被害額は約30億円となっており、前年に比べて認知件数は412件、被害額は約10億1,800万円増加しております。  本年の特殊詐欺の特徴は、親族等を装って現金等をだまし取るオレオレ詐欺と、医療費の還付等の手続を装ってATMから送金させる還付金詐欺の被害が多く、いずれも認知件数が、前年に比べて約2倍に増加しております。  県警察では、このような現状を踏まえ、高齢者宅への戸別訪問による注意喚起や、迷惑電話防止機能つき電話機の普及促進のほか、県及び事業者と地域安全に関する協定を締結するなど、官民一体となった被害防止対策を推進しております。  特に、金融機関は、特殊詐欺被害を水際で防ぐ最後のとりでであり、県警察では、金融機関に対し、詐欺を見抜くためのチェックシートを配布し、窓口職員の声かけ訓練を実施しており、窓口で高額の現金を引き出そうとする高齢者等への積極的な声かけと警察への通報を依頼しております。  その結果、本年10月末現在、金融機関職員の方による声かけ等により、312件の被害を未然に阻止していただいており、前年に比べて70件増加しております。  また、高齢者のATMによる振込の制限や引き出し限度額の設定など、被害防止対策にも努めていただいております。  一方、特殊詐欺の検挙状況については、本年10月末現在、検挙人員は209人で、前年に比べて42人増加しております。特に、急増するオレオレ詐欺や還付金詐欺の実行犯を犯行現場で検挙するなど、本年10月末現在、オレオレ詐欺の被疑者128人、還付金詐欺の被疑者8人を検挙しており、前年に比べて、それぞれ73人、5人増加しております。  特殊詐欺対策については、引き続き、県警察の最重要課題と位置づけ、組織の総力を挙げて犯行グループの壊滅に向けた検挙対策を推進するとともに、自治体や金融機関をはじめとした関係機関・団体等と緊密に連携し、官民一体となった効果的な被害防止対策に取り組んでまいります。  以上でございます。  〔河本文雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕 ◆河本文雄議員 それでは、再質問をいたします。  県立高校の老朽化対策についてですが、基本的な考え方は理解いたしました。  ただ、老朽に伴う施設の不具合は、なかなか年数だけでは判断できないところがあります。また、実際に使っている、要するに利用している方の意見も当然必要だと思いますので、実際、利用している生徒、また保護者など、そして教職員の意見、そういったものも重要と考えますが、教育長の見解を伺います。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の再質問にお答えいたします。  校舎の老朽化対策については、これまでも、日常的に利用している学校の要望を聞いた上で、修繕箇所を見極め、対応してきました。  今後も、生徒や教職員等の意見を踏まえた学校の要望をよく聞きながら、効果的な老朽化対策に取り組んでまいります。  以上でございます。  〔河本文雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕 ◆河本文雄議員 それでは、要望いたします。  まず、県立高校の老朽化対策についてなんですが、様々な御意見は聞いているというお話がありました。  あとは、答弁の中で、耐用年数というか長寿命化の話もありました。ただ、鉄筋鉄骨造りの、例えば校舎、そして、軽量鉄骨、こちらは分かりやすく言えば、例えば体育館、それから部室、そういったものとは多分、建物自体のもとが違います。ですから、例えばそういったものを長寿命化しようとしても、それは厳しいものがあるので、ぜひそういったところは、あとは、その場所によっても傷むところも違いますし、ですから、そういったことをよく聴いていただいて、一つの形式、例えば耐用年数が何年だからとか、そういったので改めるのではなく、現場の意見を、現場と言うか、使っている方の意見を、先ほど言いましたが、また、よく見ていただいて対応していただくことを要望いたします。  それから、健康団地については、先ほど知事のほうから、合唱を委託しているという話を聞きました。ぜひそういった、本当に誰でもできますし、大きな声を出すということは体にもいいですから、非常にいいです。ですけど、もう一つその上を行って、ぜひそういった目標、例えば合唱コンクールに出るとか、何か目標を持って取り組んでいただくことによって、例えば、その団地に住む方ではなくて、地域の住民の方々、そういった方とも連携ができますので、ぜひそういった活動を今後、進めていただくことを要望します。  相模原市域における境川については、意見交換会を定期的にというお話がありました。年に1度、ぜひ地域住民の不安がなくなるように開催していただいて、進捗状況等も分かれば流域の住民の方も安心しますので、ぜひともそこは進めていただきたい、そのことを要望いたします。  それから、特殊詐欺被害防止については、金融機関もそうでありますが、コンビニも、例えば現金の、私もよく使用します。ですから、コンビニでの対策、ぜひともコンビニの店員さんとも、いろいろな情報交換をしていただいて、そういった、最近増えているコンビニの被害も、そこのところも、ぜひ対応していただきたい、そのことを要望いたします。  それでは、以上をもちまして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-令和4年第3回-20221207-029352-諸事項-付託・提案説明・採決等-》 ○議長(しきだ博昭) 以上で質問並びに質疑を終わります。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) この際、申し上げます。  日程第1のうち、定県第136号議案から定県第140号議案までにつきましては、人事委員会の意見を聴くことにいたしますので、御了承を願います。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。  日程第1及び日程第2につきましては、この程度で、議案付託表のとおり、所管委員会に付託して審査を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  所管委員会におかれましては、慎重審査の上、その結果の御報告を願います。                            〔本会議録別冊279頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 次に、日程第3、議員提出第5号議案 神奈川県議会の保有する個人情報の保護に関する条例を議題といたします。  お諮りいたします。  日程第3につきましては、この程度で、総務政策常任委員会に付託して審査を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  総務政策常任委員会におかれましては、慎重審査の上、その結果の御報告を願います。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 次に、日程第4、請願第45号-1 教育格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願外5件を議題といたします。  請願書の朗読は省略いたします。                            〔本会議録別冊219頁参照〕  お諮りいたします。  以上、請願6件につきましては、請願付託表のとおり、所管委員会に付託して審査を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  所管委員会におかれましては、慎重審査の上、その結果の御報告を願います。                            〔本会議録別冊282頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 次に、日程第5、議員提出第6号議案 県議会議員議員報酬費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。  議案の朗読は省略いたします。                            〔本会議録別冊117頁参照〕  提出者の説明を求めます。  杉本透君。〔杉本 透議員登壇〕 ◆杉本透議員 自民党の杉本透でございます。  議長のお許しを頂きましたので、ただいま上程されました議員提出第6号議案 県議会議員議員報酬費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例につきまして、神奈川県議会議会改革検討会議の委員10名を代表いたしまして、私から提案理由の説明をさせていただきます。  期末手当については、地方自治法第203条第3項で、普通地方公共団体は、条例で、その議会の議員に対し、期末手当を支給することができると規定され、普通地方公共団体が条例で定めれば、議員に対して期末手当を支給することができるとされています。  こうした中、昨今、地方議会において、本会議や委員会を正当な理由がなく、長期にわたり欠席している議員に対し、議員報酬等が支払われていたことが問題になる事案が発生しております。  こうした状況を踏まえ、去る6月17日の団長会において、議長から、本県議会としても、こうした事態が発生した場合に備え、議会改革検討会議に、長期欠席議員に対する報酬等の支給の見直しについて検討するよう依頼があったところであります。  本検討会議では、議員報酬等の支給に関し、県民の皆様の御理解を得られるようにすべきであるという考えの下、様々な観点から慎重かつ精力的に検討を行ってまいりました。  そして、その検討結果を議会改革検討会議の報告書として取りまとめ、去る10月14日に、座長である私から議長に報告したところであります。  このたびの条例改正案は、この報告に基づき、本検討会議の委員である5会派の議員10名により提出するものであります。  それでは、この改正案の概要について説明をさせていただきます。  この条例は、県議会議員が長期欠席をした場合の議員報酬及び期末手当の支給に係る事項について規定するものであります。  具体的には、1定例会を基本に、その間の本会議及び委員会を全て欠席した場合を長期欠席とし、この場合は、役務の提供がないため、当該定例会の閉会日等の翌月以降、議員報酬を支給しないこととするものでございます。  ただし、長期欠席が公務上の災害、感染症、出産などのやむを得ない事由による場合は除くこととしております。  また、期末手当についても、議員報酬の不支給に相当する期間分を減じるよう、その算定に反映させるものでございます。  なお、当該議員が長期欠席後最初に、本会議または委員会に出席した日の属する月以降は、議員報酬を支給することとしております。  最後に附則でございますが、施行期日については、令和5年1月1日としております。  以上が改正案の概要でございます。  県民の皆様からの税金を原資とする議員報酬期末手当の支給を受けている私たちは、常に自らを律し、県民の信頼と負託に応えることにより、その職責を果たさなければなりません。  今後も、県民目線で議会制度の見直しや改革に向けた取組を進めてまいる所存でございます。議員各位におかれましては、本議案に何とぞ御賛同賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  以上をもちまして、議員提出第6号議案 県議会議員議員報酬費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例についての私からの提案理由の説明とさせていただきます。  以上でございます。 ○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。  日程第5につきましては、委員会の審査を省略することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、日程第5につきましては、委員会の審査を省略することに決しました。  お諮りいたします。  日程第5につきましては、この程度で採決いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、採決いたします。  日程第5、議員提出第6号議案 県議会議員議員報酬費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例について、原案に御賛成の方は御起立を願います。  〔総員起立〕 ○議長(しきだ博昭) 総員起立により、原案のとおり決しました。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  お諮りいたします。  明8日から16日までは、委員会における審査等のため休会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  次回の会議は、12月19日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後4時18分 散会...